「高島平の街並は団地広がるすみよい所みんな輪になれ大きな花輪高島平はよいところ」８月２６日、東京都板橋区の高島平団地には「高島平音頭」を踊る老若男女であふれてい...
８月２６日、東京都板橋区の高島平団地には「高島平音頭」を踊る老若男女であふれていた。新型コロナウイルスの影響で、４年ぶりに開催された高島平三丁目自治会による「ふるさと夏まつり」。町内付き合いが希薄となりつつある令和の時代に住人らが集い、商店街のお買い物券などが当たるくじ引き大会でも大いに盛り上がりを見せた。
都市再生機構（ＵＲ都市機構）によると、高島平団地は１９７２（昭和４７）年に完成。賃貸８２８７戸、分譲１８８３戸の計１万１７０戸を備えた東洋一のマンモス団地と呼ばれた。都心まで約３０分の立地の良さなどから入居希望者が殺到し、当時、約３万人が移り住んだという。５代目社長の村越豊さん（７３）は「開業当初は今以上に妊婦や子連れの主婦だらけで活気があったね。仕入れただけ売れて、年末には１日５００万円くらい売り上げがあったよ」と振り返る。 ここで「高島平新聞（旧団地新聞・高島平）」を発行する村奈嘉（むらなか）高英編集長（５０）によると「昔、松屋で『じゃがいもが安い』となると主婦がこぞって訪れた。夕方には、各家庭からそろって『肉じゃが』の匂いがしたものだった」と懐かしむ。
高島平新聞は高英さんの父・義雄さん（８１）が７２年に創刊。インターネットのない時代から、団地に関するニュースやイベント情報を載せて長らく住人の生活を支えてきた。現在も従業員２人で取材・編集し、約２万２０００部を発行。毎月１５日、無料で各ポストに配達している。 高英さんによると、近年は約１万６０００人が在住。完成当時は核家族でひしめき合っていたが、築５０年以上が経過し高齢者が増えた。一方で、今でも外国人や若い夫婦に一定の人気があるという。礼金や保証人などが不要のため、新生活を始める人たちにとって利点が多い。マンモス団地の景色は変わらないが、人々の生活は移り変わってゆく。三丁目自治会の宮坂幸正会長（６９）は「高齢者が外国人の子どもに日本語を教え、若い外国人に草刈りなど自治会の活動を手伝ってもらっている。これからも相互関係を築いていけたら」と話した。
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