Z世代(1990年代後半以降に生まれた世代)は「デジタルネイティブ」とも呼ばれ、SNS(交流サイト)を巧みに使い分ける。30代後半の私はY世代(80~90年代前半生まれ)で、さらに前のX世代(60~...
Z世代(1990年代後半以降に生まれた世代)は「デジタルネイティブ」とも呼ばれ、SNS(交流サイト)を巧みに使い分ける。30代後半の私はY世代(80~90年代前半生まれ)で、さらに前のX世代(60~70年代生まれ)も含め、SNSと言えばフェイスブックという世代とは違うらしい。Z世代がよく使うSNSとして、インスタグラム、TikTok(ティックトック)、X(旧ツイッター)の三つを考察してみよう。
写真や動画を共有するインスタは、自分の「好き」を探す場になっている。好きな店や食べ物など自分が知りたい情報を閲覧していると「おすすめ」で似たような情報が集まってくる。好き同士でつながるので恋愛に発展するケースもあるという。 ショート動画に特化したTikTokは、新しい「好き」を発見する場だ。閲覧履歴から「おすすめ」が流れるのは同じだが、インスタより予測の幅が広く、提案型なので、ユーザーは偶発的な出合いができる。たとえば、たまたま知ったコスメを気に入って購入し使用感をレビュー、その投稿がまた次の購入につながる。そんなサイクルが起きる。「TikTok売れ」というマーケティング用語も生まれた。 短文投稿サイトのXは、主にニュースソースとして認識されている。事件事故、悪天候による交通機関の遅れなど、気になることが起きると、まずXを開く。サイト内のトレンドをチェックすれば話題のニュースにリーチできる。旧世代がヤフーニュースを見る感覚だろうか。
番外編で、LINEについても触れておこう。連絡ツールとして使われることが多いLINEだが、道内のある高校生から聞いた話では「あまり親しくない人とはインスタのDM(ダイレクトメッセージ)で、身近な友達とはLINEで」連絡を取るそうだ。人間関係の微妙な距離感でSNSを使い分けるZ世代、恐るべし。(北海道博報堂「新ど研」代表研究員)