4年も続く「薬不足」、ジェネリック産業構造足かせ 品目統合や企業連携後押しに基金設立

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4年も続く「薬不足」、ジェネリック産業構造足かせ 品目統合や企業連携後押しに基金設立
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医師らが処方する医療用医薬品の不足が続いている。特にジェネリック医薬品(後発薬)の供給不安は4年以上続いており、問題解消のために政府は医薬品医療機器法(薬機法…

医師らが処方する医療用医薬品の不足が続いている。特にジェネリック医薬品(後発薬)の供給不安は4年以上続いており、問題解消のために政府は医薬品医療機器法(薬機法)などの改正案を今国会に提出した。後発薬メーカーの事業再編や企業間連携を後押しする基金の創設なども盛り込む。ただ、安定供給実現への道のりは険しい。「後発薬の供給不安は全く解消されていない」。大阪府薬剤師会の羽尻昌功常務理事はこう嘆息する。同会が昨年11月から12月にかけて会員薬局を対象に後発薬の納入状況を聞いたところ、回答した1581薬局のうち「希望した発注数通りに納品されている」と答えた薬局はわずか5件だった。供給不安が通常の調剤業務への支障を与えていると考えている薬局は7割に上った。

せき止め薬や去たん剤、総合感冒薬の納品が滞っている。薬局では、在庫不足を告げる卸業者からの連絡がひっ切りなしに届く。処方された薬の在庫がなければ、代替薬についてその都度、医師に問い合わせなければならない。最近は鉄剤やカリウム製剤の供給不安も目立つ。羽尻氏は「不安を抱える患者さんも多い。説明を尽くさなければならない」と話す。長く続く薬不足は、2020年以降に露見した後発薬メーカーの不祥事に端を発している。以後、10社以上が業務停止命令や改善命令を受けたことをきっかけに減産が続き、代わりに注文が殺到した別の会社も生産力が追い付かない。国は医療費抑制を期待して、安さが売りの後発薬の使用を促してきた。現在、その使用割合は数量ベースで8割強を占める。ただ、急拡大した市場には新規参入も増え、200近くの企業が乱立する。そのほとんどが中小零細企業で、何十種類もの多品目の薬を限られた製造ラインで少量ずつ生産する「少量多品目」で稼ぐ。そのため工程は複雑化し、増産に対応する余力もない。原薬やエネルギー価格の高騰もメーカーの経営を圧迫、薬不足を長引かせている。厚生労働省が20年に設置した有識者会議では、少量

一方で企業間の事業統合をスムーズに行うことが難しいと指摘する声もある。「そもそも何が不足しているか、何を増産したらよいのか正確に把握できていないことが問題」と指摘する坂巻弘之・神奈川県立保健福祉大シニアフェローは「続く供給不安にすぐ効く劇薬などない。原因分析を行った上で対策をとらなければ供給不安は解消しない」と強調した。後発薬の供給不安が長引く一方で、国はさらなる利用拡大を促す施策を進める。ただ、それには安定供給が絶対条件となる。資金力に勝る大手後発薬メーカーでは増産を計画、企業間連携を促す声も上がる。 厚生労働省は昨年10月から、後発薬が出ている先発医薬品に対して「選定療養」の制度を用いている。先発薬を希望する患者に対し、先発薬と後発薬の差額の4分の1相当の追加費用の負担を求める仕組みで、「思った以上に後発薬に移ってきている」とメーカーの担当者は明かす。追加費用は、子供の医療費無料化などの助成制度対象者にも求められるため「子育て世代での切り替えが進んでいる」とみる。ただ、大手の増産頼みでは業界全体の安定供給の実現は不可能とみて「企業間連携」の必要性を訴える声も上がる。東和薬品経営戦略本部長の中村豪之氏は「後発薬メーカーは企業規模の大小を問わず、どこも多品目製造だ。同じ品目を製造している企業同士が互いの稼働状況を把握して並行生産やバックアップ生産で協力できれば、安定供給がかなう」と話す。企業間連携を進めるにあたって必要な経費の補助に、国が創設を計画する基金の活用を求め、「事業再編ありきで話を進めると、多くの企業は連携に抵抗するだろう。あくまで製造能力を高め、有事のバックアップ生産体制を支援することを目的に基金を活用してほしい」と訴えている。供給不足が長引いた理由の一つに、実態把握が進ま

2021年からサイトを運営する薬剤師の山本高大さんと近野優さんは「利用者の多くは薬剤師で、薬局で扱う医薬品の供給情報をまとめて検索して、医師への処方の問い合わせの際に役立てる人が多い」と話す。この1カ月を振り返っても、会員数は500人増加したという。(安田奈緒美)

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