アメリカの連邦取引委員会(FTC)が2024年4月29日に、Razerのゲーミングマスク「Zephyr」に関する虚偽表示をめぐる訴訟で、Razerが約110万ドル(約1億8000万円)を支払うことで同社と合意に達したと発表しました。
FTCによると、Zephyrは発売当時「交換式のN95グレードフィルター」を使用し、「アメリカ食品医薬品局に登録され、ラボで99%の細菌ろ過効率のテストを実施済み」とうたわれていたとのこと。また、新型コロナウイルスについての試験は受けてないものの、公式サイトには「99%のBFE評価により同等の機能と十分な保護を提供する」と記載されていました。
ところが、実際のZephyrはN95認定を受けてないどころか、FDAやアメリカ合衆国国立労働安全衛生研究所に資料を提出したことすらありませんでした。RazerがN95規格に関する表示をやめたのは、Zephyrについての否定的な報道がなされ、消費者の怒りが高まった後だったとされています。 この問題を受けて、FTCとアメリカ司法省はRazerに対する訴訟に踏み切りました。カリフォルニア州中央地区連邦地方裁判所に提出された訴状によると、細菌を99%除去するのはフィルターだけで、マスク全体がウイルスからの保護を提供できることを証明する証拠は一切なかったとのこと。 また、Razerはマスクの性能がフィルター単体より劣ることを把握しており、Zephyr発売前に第三者機関が実施したテストでの粒子ろ過効率はファンをオフにした状態で83.2%、オンにした状態で86.3%しかありませんでした。これは、N95マスクに求められる95%のPFEに遠く及びません。
今回、Razerと当局が合意したことで、Razerには民事罰金10万ドルに加えて、Zephyrの売上全額である107万1254.33を支払う義務が課せられます。FTCは、Razerから支払われたZephyrの売上を消費者への返金に充てる予定とのこと。
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。
「ライバル企業への転職禁止」を禁止すると連邦取引委員会が発表、労働者の転職の自由度が向上2024年4月23日、アメリカの連邦取引委員会(FTC)が、ライバル企業への転職や同業種の兼業・起業を禁止する「競業避止義務」の設定を禁止することを発表しました。これにより、労働者の転職の自由が保護され、イノベーションや、新規事業の形成促進が期待されます。
続きを読む »
MicrosoftによるActivision Blizzard買収を阻止するための連邦取引委員会の最後の試みが却下される、ついに買収成立が間近にMicrosoftによるActivision Blizzardの買収を阻止するために、アメリカの連邦取引委員会(FTC)はMicrosoftを提訴していましたが、この訴訟は最終的に却下されました。この判決を不服としてFTCは控訴していたのですが、これも却下され、MicrosoftによるActivision Blizzardの買収成立にまた一歩近づくこととなっています。
続きを読む »
MicrosoftがActivision Blizzard買収をめぐる裁判でアメリカの規制当局に勝利アメリカの連邦取引委員会(FTC)が、MicrosoftによるActivision Blizzard買収の阻止に向けて提起していた裁判で、裁判所がFTCの申し立てを却下する判決を下しました。FTCは今後、この判決を控訴審へと持ち込む可能性があります。
続きを読む »
MicrosoftのActivision Blizzard買収を阻止すべく連邦取引委員会が差止命令を申請2022年1月、Microsoftが大手ゲームメーカーのActivision Blizzardを買収すると発表しました。Microsoftは独自のゲームブランドである「Xbox」を持つため、Activision Blizzardを買収することでゲーム業界のパワーバランスが崩れることを危惧し、世界中の規制当局がこの買収について調査を行っています。アメリカの連邦取引委員会(FTC)もMicrosoftの買収計画を阻止すべく調査を進めており、2023年6月12日(月)になってついに買収阻止を求める仮制止命令および予備的差止命令を申請したことが明らかになりました。
続きを読む »