結成5周年を迎えた5人組アイドルグループ「.BPM(ドットビーピーエム)」の森山小百合が、初アルバム「The .BPM WONDER」の発売を受け、スポニチ… - スポーツニッポン新聞社の公式サイト(www.sponichi.co.jp)
「加入する前から大好きだった曲と、今の5人のために作られた曲。その両方が詰まっています」。アルバムの完成度について問うと、森山はそう語り、表情を緩めた。だが、その柔らかさの裏側には、決して“ファンの延長線”では終わらない覚悟がある。「どちらも、ほぼ無音の状態から私の歌い出しで始まるんです。最初に歌い出した頃はドキドキでした」 「ロマンティック」はライブ序盤、「アネモネ」は静まり返った終盤に披露されることが多い。数百の視線が一斉にマイクへ注がれる中、アカペラに近い状態で放たれる第一声。音程を外せば、その瞬間に世界観は崩れ去る。 「『ロマンティック』は歌い出しとサビを担当させていただいていて、加入してから一番歌割りが多い曲です。その分、すごく練習しました。ファンの方からも『ロマンティックを歌っている小百合が好き』と言っていただけることが多くて、一番思い入れがあります」 レコーディングを振り返ると、想像以上の高さに戸惑った。「キーがすごく高くて、出るかどうか分からない状態で挑みました。でも歌えるようになったことで、自分の振り幅が広がったと思います」。大人びた楽曲については「自分も大人になったな、と思いながら歌っています」とはにかんだ。 もっとも、緊張が消えることはない。「朝イチのライブだと、高い声を出すのがものすごく緊張するんです。楽屋でずっと声出しをしているぐらい」。華やかなステージの裏側で、森山は常にプレッシャーと向き合い、準備で不安をねじ伏せてきた。 かつては「出るかどうか不安だった」という高音域も、繰り返し歌ってきたことで確実に身体に刻まれた。「今は喉が覚えて、自信を持って歌えています」。その言葉からは、感覚ではなく“技術”として歌をつかんだ手応えがにじむ。 表現力もまた、進化の途上にある。「ロマンティック」の歌詞にある♪月の光が 朝を喰(は)むまで――という一節。「最初は“喰む”って読めなかったんですけど(笑)」と照れながらも、今では「朝が来るまでずっとロマンティックに溺れていたいという、乙女で素敵な感じが好き」と大人の情動を、声に乗せて届けている。 一方、バラード調の「アネモネと蒼い鳥」では、より内省的な表現に挑戦する。「デモを聴いた時に泣いてしまって」。その感情を、切ない表情とともに客席へ投げかける。「アイドルという枠を超えた、アーティスティックな表現」を意識しているという。自身を「ポジティブで、自信は強め」と分析する森山。それでも、逃げ出したくなるほどの張り詰めた空気の中で、震える喉を制御し、最初の一音を響かせ続けてきた。日々のライブでの積み重ねが、今の歌声を支えている。.
「加入する前から大好きだった曲と、今の5人のために作られた曲。その両方が詰まっています」。アルバムの完成度について問うと、森山はそう語り、表情を緩めた。だが、その柔らかさの裏側には、決して“ファンの延長線”では終わらない覚悟がある。「どちらも、ほぼ無音の状態から私の歌い出しで始まるんです。最初に歌い出した頃はドキドキでした」 「ロマンティック」はライブ序盤、「アネモネ」は静まり返った終盤に披露されることが多い。数百の視線が一斉にマイクへ注がれる中、アカペラに近い状態で放たれる第一声。音程を外せば、その瞬間に世界観は崩れ去る。 「『ロマンティック』は歌い出しとサビを担当させていただいていて、加入してから一番歌割りが多い曲です。その分、すごく練習しました。ファンの方からも『ロマンティックを歌っている小百合が好き』と言っていただけることが多くて、一番思い入れがあります」 レコーディングを振り返ると、想像以上の高さに戸惑った。「キーがすごく高くて、出るかどうか分からない状態で挑みました。でも歌えるようになったことで、自分の振り幅が広がったと思います」。大人びた楽曲については「自分も大人になったな、と思いながら歌っています」とはにかんだ。 もっとも、緊張が消えることはない。「朝イチのライブだと、高い声を出すのがものすごく緊張するんです。楽屋でずっと声出しをしているぐらい」。華やかなステージの裏側で、森山は常にプレッシャーと向き合い、準備で不安をねじ伏せてきた。 かつては「出るかどうか不安だった」という高音域も、繰り返し歌ってきたことで確実に身体に刻まれた。「今は喉が覚えて、自信を持って歌えています」。その言葉からは、感覚ではなく“技術”として歌をつかんだ手応えがにじむ。 表現力もまた、進化の途上にある。「ロマンティック」の歌詞にある♪月の光が 朝を喰(は)むまで――という一節。「最初は“喰む”って読めなかったんですけど(笑)」と照れながらも、今では「朝が来るまでずっとロマンティックに溺れていたいという、乙女で素敵な感じが好き」と大人の情動を、声に乗せて届けている。 一方、バラード調の「アネモネと蒼い鳥」では、より内省的な表現に挑戦する。「デモを聴いた時に泣いてしまって」。その感情を、切ない表情とともに客席へ投げかける。「アイドルという枠を超えた、アーティスティックな表現」を意識しているという。自身を「ポジティブで、自信は強め」と分析する森山。それでも、逃げ出したくなるほどの張り詰めた空気の中で、震える喉を制御し、最初の一音を響かせ続けてきた。日々のライブでの積み重ねが、今の歌声を支えている。
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