金与正氏「レッドライン越えた」と米韓演習非難 米政権に忠告も バイデン米政権にも、「今後4年間、安心して眠りたいなら最初からぶざまに寝そびれることを仕立てない方が良い」と述べた。北朝鮮が直接バイデン政権に向けたメッセージを公表するのは初めて。
【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(ヨジョン)党副部長は16日付の党機関紙、労働新聞に掲載された談話で、米韓両軍が8~18日の日程で韓国で行っている合同指揮所演習について「同族を狙った侵略戦争演習だ」と非難した。韓国に向けて「(越えてはならない)レッドラインを越える選択をしたと気づくべきだ」と警告し、祖国平和統一委員会といった対韓国窓口機関の整理や軍事分野での南北合意の廃棄の可能性に言及した。米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官が17日から訪韓し、米韓外務・国防閣僚協議(2プラス2)を開くのを前に米韓両政府を牽制(けんせい)した形だ。
ただ、韓国には文在寅(ムン・ジェイン)政権が重視する南北対話の窓口機関の廃止まで示唆する強い警告を発したのに対し、バイデン政権へは「忠告」にとどめており、米韓で警告レベルに強弱を付けて南北対話に前のめりの文政権を狙い撃ちしたといえる。 正恩氏は1月の党大会で米韓演習の中止を迫っていた。今回の演習はコンピューターシミュレーションによる訓練が主で、大規模な野外機動訓練を見送ったが、与正氏は「われわれは演習自体に反対し、規模や形式を論じたことは一度もない」と指摘。3度の南北首脳会談が行われた2018年を念頭に「3年前の春の日は再び戻るのが容易でないだろう」と強調した。
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