通常は無味乾燥な調査リポートが今週、金市場を揺るがした。中央銀行による大規模な購入を示唆したためだ。どの国・地域の中銀かは今のところ特定されていない。
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、中銀は7-9月(第3四半期)に399トンの金を購入。これまでの最大記録の2倍近くとなった。公に名前を明かしている機関による購入はそのうちの25%弱にとどまったため、謎の買い手を巡り観測が飛び交っている。
大半の中銀は外貨準備を補うために金を購入する場合、国際通貨基金(IMF)に通知するが、秘密にしたがる中銀も存在する。残る75%の大量購入を実行できる買い手は少ないが、米利上げを受けた投資家の金売りによる打撃を和らげるには十分だ。 貴金属に関する情報サイト、メタルズ・デーリーのロス・ノーマン最高経営責任者(CEO)は「こうした売り圧力を踏まえれば、金がそこまで下げなかったのはやや意外だった」と指摘。「しかし、今はその答えが分かった気がする」と述べた。 金市場の鯨を特定するのは難しいが、こうした購入能力を持つ中銀は限られている。 世界2位の経済規模を誇る同国は、中銀がどれほどの金を購入しているのかめったに開示しない。同国は金準備の変化について2019年以降報告していないため、水面下で購入しているのは中国かもしれないとの観測が高まっている。Source: World Gold Council, China Customs ロシアは世界2位の金採掘国。通常、年間300トン余り生産する。22年2月より前には、ロンドンやニューヨークといった取引の中心地だけでなく、アジアの諸国にも金を輸出していた。Note: Data is for 2021...
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