父は戦前、三井物産に勤め、戦後の財閥解体で佐世保重工に移りました。私は佐世保に５歳まで住み、小学３年まで東京に住んだ後、佐世保に戻りました。中学２年のとき、佐…
授業終了後、「先生、面白かったので、このような話をもっとしてください」とお願いすると、困った表情をされた。「授業ではできない。国際関係の話を聞きたいなら、仲間とともに研究室に来なさい」と。結局、友人４人と研究室に押し掛けました。夏休みになると、軽井沢の別荘に５人で来るよう江藤先生から誘われました。研究課題を決めて数日間、泊まり込みで勉強しました。江藤先生に教わったのは２年半。途中、経済が得意な友達から、「国家公務員試験（経済職）を受験するので、一緒に受けよう」と声を掛けられ、３年生で受かりました。将来の見通しを聞かれ、外交官になりたいと言うと、国際法の先生を紹介してくださった。１、２度、論文を添削していただき、「こんなものでいいでしょう」などと言われて４年生のとき受験し、合格しました。先生は「成績が下がったら、研究室には置けない」とおっしゃった。江藤先生と米プリンストン大で学んだ友人の社会工学の教授が私の担当教官になり、その計らいで実質は江藤先生の指導を受けていました。江藤先生に批判が向いてはいけないと思い、頑張りました。結果として、公表された得点では、社会工学科を１番で卒業することに
社会工学は新しく、面白い学問。先生方が一生懸命やっていて、刺激がありました。たとえば地下開発をする際、火事で地下から煙が出ていく速度を計算し、入り口をどこに設けるかを考えたり…。外務省に入って、のちに外務次官になる竹内行夫氏に、チャート図の入った説明資料を持って行ったところ、「あなたは、理工系か」と言われました。（聞き手 黒沢潤）〉１９５０年生まれ。東京工業大卒。７４年に外務省入省。北米第１課長、在韓国、在米国政務公使などを経て２００６年、広報文化交流部長。０８年、国連教育科学文化機関（ユネスコ）代表部大使。アフガニスタン・パキスタン支援担当大使、駐ハンガリー大使などを経て１６年6月、国連事務総長特別代表兼国連アフガン支援団（ＵＮＡＭＡ）代表に就任。２０年３月に退任し、現在は立命館大客員教授などを務める。
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