（セ・リーグ、広島2−1阪神、21回戦、広島11勝9敗1分、24日、マツダ）1点差が、果てしなく遠く、遠く感じた敗戦だった。1点を取るのが何と難しいことか。昼間に、一瞬で4点...
（セ・リーグ、広島2−1阪神、21回戦、広島11勝9敗1分、24日、マツダ）1点差が、果てしなく遠く、遠く感じた敗戦だった。1点を取るのが何と難しいことか。昼間に、一瞬で4点を取る衝撃シーンを見たばかりだったのに。「大谷は本当にすごいですねぇ。サヨナラ満塁本塁打で『40−40』を決めてしまうのですから。しかも、甲子園の球児の活躍の邪魔をしないように、高校野球が終わってから打つ。後輩たち、よく頑張った！ 次はオレの番だ！という感じ。カッコ良すぎます」その一方で、デスク川端は困惑していた。甘い考えは、木っ端みじんに砕け散る。かくして、大阪サンスポの1面も大谷に決定！阪神の長い歴史でも、8本しか生まれていない。新庄剛志（1994年）、グレン・デービス（96年）、福留孝介（2013年）、高山俊（19年）。この4本はナマで目撃した。感動の甲子園が瞬時によみがえってくくる。
そして、忘れてはいけない。サンケイスポーツ専属評論家・田尾安志氏もタテジマ時代の1988年8月27日、伝説の〝炎のストッパー〟津田恒実（広島）から放っているのだ。昨日の阪神戦の評論の打ち合わせをしながら、ついでに36年前の感触を尋ねたら…。 「もちろん、覚えているよ。これは打者の特権。投手は1球で試合を決めることはできないけれど、打者はひと振りで決められるからねぇ。その中でも最高の一打じゃないかなぁ。気持ち良かったよ。ただ、大谷クンは優勝を目指している中での、とてつもなく価値ある一発。ホントにうれしいと思う。ボクは最下位争いの中での一発だったからなぁ」 謙遜されていた。それは事実かもしれないが、あの年、田尾さんは1シーズンでサヨナラ満塁弾以外に、サヨナラソロ本塁打、逆転サヨナラ3ランも放っている。もし、サヨナラ2ランを打っていたら、驚異の「1シーズンサイクルサヨナラ本塁打」（そんな記録があるのかどうか、よく知らないが）の大偉業を達成していたことになる。想像しただけでも、衝撃的な勝負強さだ。トラ番キャップの仕事は辛い。試合後、新里公章は機嫌のよくない岡田監督を取材して、残り試合の勝敗を予想して、計算して、優勝の可能性を探っていた。もちろん、逆転Vを確信しながら。
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