その光景を目にしたとき、「ついに、この日が来たか」という衝撃を受けた。コロナ禍以来、初めてマスク着用の義務がない飛行機に搭乗したのである─ →航空機内でもついにノーマスク 着用義務をめぐる欧州と日本の違い
機内を見渡した印象では、マスク着用派とノーマスク派は半々程度。キャビンアテンダントは終始マスクなしで機内を動き回り、ドリンクサービス中も本来の笑顔を見せていた。マスク着用に文化の違いも
まずは、筆者の住むフランスだが、マスク着用義務は全面的に解除され、公共交通機関を含む屋内や屋外ともに、どこでも自由にマスクなしで過ごすことができるようになっている(病院や一部介護施設のみ着用義務あり)。 実際、混雑したメトロに乗っても、マスクをかけている人は2、3割程度。6月中は夏の日差しが強まるにつれ、マスク率もかなり下がった。ただし、7月に入ってからは感染者の増加を受け、政府も公共交通機関でのマスク着用を推奨し、マスクをする人もまた少しずつ増えている。もちろん、ワクチン接種で完全に新型コロナウイルスの感染を防げるわけではない。筆者のまわりでも、ブースター接種後に感染した人はおり、最近も知人が感染したばかりだ。周辺国にも目を向けよう。前述の筆者が搭乗したマスクフリーの便は、6月上旬のパリからベルリンに向かうエールフランス機だった。航空会社の規定によれば、機内でのマスク着用は基本推奨だが、義務付けるかどうかは行き先次第。その結果、マスク着用自由の飛行機が欧州上空を数多く飛んでいる。ただドイツには独自のマスク規定があり、「FFP2マスク」と呼ばれる医療用の高機能マスクしか正式には認められていない。今回の旅行中では、FFP2マスクをする現地の住民と、使い捨てマスクどころかマスクもしない旅行者と思われる人たちの完全なる二分化を目撃した。
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