かつてがんでの死亡数のうち1位だった胃がん。近年は診断法と治療法の向上により死亡数は減ったものの、国立がんセンターの調べによると男性の約10…… → 胃がんのリスクが遺伝要因で高まるという報告、ピロリ菌感染の胃がんリスク
かつてがんでの死亡数のうち1位だった胃がん。近年は診断法と治療法の向上により死亡数は減ったものの、国立がんセンターの調べによると男性の約10人に1人、女性の約21人に1人が胃がんの診断を受けるとされ、2021年時点で胃がんはがんでの死亡数のうち男性で第3位、女性で第5位の割合を占めている(※1)。そんな胃がんを引き起こす要因とされているのが、ヘリコバクターピロリ菌(以下、ピロリ菌)だ。
理化学研究所(理研)生命医科学研究センターと愛知県がんセンター研究所、岡山大学、東京大学などの国際共同研究グループは、日本の1万1000人以上の胃がん患者群と4万4000人以上の非がん対照群を用いて、世界最大規模となる症例対照研究(※2)を実施。胃がんのリスクに関連する遺伝子の存在とその特徴を示し、それらの遺伝子の病的バリアント(※3)がピロリ菌感染による胃がんリスクへの影響を強めていることを明らかにした。 同研究グループは、理研で独自に開発したゲノム解析手法を用いて、バイオバンク・ジャパン(BBJ)と愛知県がんセンター病院疫学研究(HERPACC)で収集した胃がん患者群と非がん対照群のDNAについて、27個の遺伝性腫瘍に関する遺伝子を解析。BBJデータの解析により、9個の遺伝子の病的バリアントが胃がんのリスクに関連することを示した。
これらの遺伝子の病的バリアントと、胃がんのリスク因子であるピロリ菌感染情報とを組み合わせてHERPACCデータを解析した結果、BRCA1・BRCA2遺伝子などの相同組換え修復機能(※4)に関わる遺伝子群の病的バリアント保持者は、非保持者と比べてピロリ菌感染による胃がんリスクへの影響がより強くなることが分かった。 同研究グループは、「病的バリアント保持者については、ピロリ菌感染の検査や除菌による胃がんのリスク低減を検討する重要性がより一層高いと考えられる」と提言。また、「本研究成果が、胃がんのゲノム医療に貢献すると期待できる」と説明した。※2 症例対照研究…疾患に罹患した集団(症例)と罹患していない集団(対照)において、特定の要因について評価し、比較することで、特定の要因と疾患との関連を評価する研究手法
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