近年は「低糖質」や「糖質ゼロ」という言葉が目立つところに表記されている食品や飲料をあちこちで見かけます。ただし、糖質にはさまざまな性質のものがあります。どのよう...
近年は「低糖質」や「糖質ゼロ」という言葉が目立つところに表記されている食品や飲料をあちこちで見かけます。ただし、糖質にはさまざまな性質のものがあります。どのような形で口に入るかで、体に及ぼす影響に違いがありそうです。成人してから徐々に体重が増え続けたという男性は気づいたときには糖尿病になっていたそうです。「思い通りに体重が減りません」と嘆いていました。この男性は酒やジュースは飲まないものの、白米が好きで「どうしても減らすことができない」と言います。炭水化物の摂取量と体重変化の関連性を示す研究結果が英国の医学雑誌に報告されています。これは医療従事者約１４万人を対象にした観察研究で、炭水化物の摂取と長期間の体重変化の関係を示しています。対象者は６５歳以下で、研究開始時点で糖尿病やがんといった病気を患っていない人です。
体重は平均して４年ごとに１・５キロ増加。特に、でんぷんなど血糖値を上昇させやすいものを多くとる人は、体重もより増えていました。逆に１日当たり１０グラム、食物繊維の摂取量が増えると、体重増加が平均よりも０・８キロ少なくなっていました。また精製された穀物やでんぷん質の野菜、加糖飲料を、全粒穀物や果物、非でんぷん質の野菜に替えると、体重増加は抑えられていました。こうした関係は、過体重や肥満の人により強く見られました。ただ、糖質がどれもこれもダメというわけではありませんし、ある程度食べないとおなかも気持ちも満たされないという人もいるでしょう。（しもじま内科クリニック院長下島和弥）
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