突然の米国債格下げ、これからどうなる
米債券市場の地合いとしては、2日に8〜10月の米国債の新規発行額が発表されるので、ドル金利には上昇圧力がかかりやすい。債務上限問題により凍結されていた国債発行が一気に出て、幅広い年限での発行増となりそうだ。 今週は雇用統計が発表されるが、雇用増が20万人を超えると、労働市場の過熱が意識され、金利上昇を誘発しやすい。1日に発表された6月の雇用動態調査で非農業部門の求人件数が958万件と前月比では減ったものの、基本的には高止まりであった。さらに円も安全通貨神話が崩れた。スイスフランは、市場規模が小さすぎる。 中期的展開としては、他の格付け会社の動きが注目されるだろう。格付け業界も独自の複雑性があるので、ライバル機関が、即、追随することはなさそうだ。米国の財政問題は重大だが、債務上限問題が妥結した後なので、切迫感に欠ける。長期的には、米ドル通貨覇権に対抗する中国・ロシアという「対決の構図」は変わらない。とはいえ、中国は日本に次ぐ、米国債保有大国なので、米国債が「通貨戦争」の武器にもなるのだが、中国が米国債を大量に売却すれば、ドル金利急騰で、中国も大損を被ることになる。豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。.
米債券市場の地合いとしては、2日に8〜10月の米国債の新規発行額が発表されるので、ドル金利には上昇圧力がかかりやすい。債務上限問題により凍結されていた国債発行が一気に出て、幅広い年限での発行増となりそうだ。 今週は雇用統計が発表されるが、雇用増が20万人を超えると、労働市場の過熱が意識され、金利上昇を誘発しやすい。1日に発表された6月の雇用動態調査で非農業部門の求人件数が958万件と前月比では減ったものの、基本的には高止まりであった。さらに円も安全通貨神話が崩れた。スイスフランは、市場規模が小さすぎる。 中期的展開としては、他の格付け会社の動きが注目されるだろう。格付け業界も独自の複雑性があるので、ライバル機関が、即、追随することはなさそうだ。米国の財政問題は重大だが、債務上限問題が妥結した後なので、切迫感に欠ける。長期的には、米ドル通貨覇権に対抗する中国・ロシアという「対決の構図」は変わらない。とはいえ、中国は日本に次ぐ、米国債保有大国なので、米国債が「通貨戦争」の武器にもなるのだが、中国が米国債を大量に売却すれば、ドル金利急騰で、中国も大損を被ることになる。豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。



