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東京国際映画祭が1日、閉幕し、TOHOシネマズ日比谷でクロージングセレモニーが開かれた。稲垣吾郎（49）の主演映画「正欲」（10日公開）の岸善幸監督が、最優秀監督賞を受賞した。また、作品は観客賞を受賞し2冠を獲得した。稲垣は、22年の前回も主演映画「窓辺にて」（今泉力哉監督）が同賞を受賞しており、2年連続で主演作が観客賞を獲得。21年に「ちょっと思い出しただけ」（松居大悟監督）、20年には「私を食い止めて」（大九明子監督）が観客賞を受賞しており、日本映画が4年連続で受賞した。
「正欲」は、直木賞作家・朝井リョウ氏の同名小説を実写映画化した作品。稲垣は、マイホームを持ち妻と子を養う、横浜検察庁に務める検察官・寺井啓喜を演じた。新垣結衣（35）が、水に強い欲求を感じる特殊な性癖を持つことを隠し、広島のショッピングモールで働く契約社員の桐生夏月を、磯村勇斗（31）が夏月と同じ性癖を持ち、互いを理解し合う同級生の佐々木佳道を演じた。 岸監督は、最優秀監督賞受賞のスピーチで「監督作4作目で、励みになります。世界、日本もそうですけど、自分のアイデンティティーを確立するのは難しい。これを励みに、いろいろなテーマで作っていきたい」などと語った。 また、観客賞受賞の際には、フェスティバル・ナビゲーターに就任した安藤桃子監督（41）から「映画は、映画を見る皆さんの中にあるもの。皆さんの中で最も沸き立った作品だと思います」とのメッセージがあった。岸監督は「私も、観客の中に映画があると信じています。多様性の中で弾かれる、マイノリティーの小さな人を描いています。見て、多様性の意味を考えて欲しい。主演の稲垣さん、新垣さん、磯村さんに伝えたい」と喜んだ。
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