元防衛相の石破茂新総裁に申し上げる。
「台湾有事」となれば日本は巻き込まれるのは必定で、中国は必ずや日本のエネルギーを狙う。このままでは、日本は3カ月も持たずに屈服してしまうだろう。緊急に対策が必要で、愚かな「脱炭素」は止めるべきだ。中国が日本各地のエネルギーインフラを攻撃したら、日本は防げるのか。イエメンの親イラン武装組織フーシ派は紅海を航行する欧州諸国の船を攻撃し、パナマ運河の入り口にある紅海を事実上封鎖している。中国によって日本近海の船や港湾が攻撃されると、日本への輸入も途絶える。だが、日本は島国で国産のエネルギーも乏しい。エネルギー供給の8割以上を占める化石燃料は、ほぼ全量が輸入である。これが止まったらどうするのか。石油の備蓄は200日分あるが攻撃されるだろう。石炭と天然ガスは1カ月分もない。
ただちにエネルギー備蓄を積み増し、「エネルギーインフラの防衛策」を講じなければならない。原発は稼働していれば、いざという時には在庫の燃料だけで3年は持つ。いまテロ対策を理由に稼働を止めている原発があるが、これはかえって国を脆弱(ぜいじゃく)にしている。太陽・風力発電は不安定で、有事の頼りにならない。 菅政権以来、日本は「脱炭素」をエネルギー政策における最優先の課題として、化石燃料インフラは破壊されてきた。化石燃料を敵視する政策のせいで、火力発電所は採算が合わず、維持費は削られ、故障しても修理されず、次々と閉鎖されている。揚げ句、節電要請が恒例行事になってしまった。 戦争になれば軍事目標へのミサイル攻撃と同時に、エネルギーインフラへのドローン攻撃があるだろう。エネルギーは日本のアキレス腱(けん)であり、真っ先に狙われる。ところがいま、日本政府は、敵に破壊される以前に、愚かな「脱炭素」政策で自ら破壊している。キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。1969年、北海道生まれ。東京大学理学部物理学科卒、同大学院物理工学修士。電力中央研究所、国際応用システム解析研究所などを経て現職。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)、産業構造審議会、省エネルギー基準部会、NEDO技術委員などのメンバーを務める。産経新聞「正論」欄執筆メンバー。著書・共著に『「脱炭素」は嘘だらけ』(産経新聞出版)、『亡国のエコ』(ワニブックス)、『SDGsエコバブルの終焉』(宝島社新書)など。
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