白井晟一の名建築で見る杉本博司の「本歌取り」、渋谷区立松濤美術館にて展覧会が開催中|Pen Online

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右上:杉本博司『宙景 001』 2023年 杉本表具 作家蔵 右下:『ギベオン隕石』 1838年発見 ナミビア、グレートナマランド ギベオン 小田原文化財団蔵 代表作「海景」シリーズで古代の人々と同じ...

右上:杉本博司『宙景 001』 2023年 杉本表具 作家蔵 右下:『ギベオン隕石』 1838年発見 ナミビア、グレートナマランド ギベオン 小田原文化財団蔵 代表作「海景」シリーズで古代の人々と同じ目を持って海を見ることを試みた杉本。それを本歌取りした「宙景」シリーズでは、太古より人間が暮らしてきた地球のすがたを捉えている。

和歌の作成技法のひとつで、有名な古歌の一部を自作に取り入れ、そのうえ新たな時代精神やオリジナリティを加味して歌を作る手法を意味する「本歌取り」。アーティストの杉本博司(1948年〜)は近年、「本歌取り」を日本文化の本質的営みと考えて、自身の作品制作に援用すると、日本の歴史的な絵画を本歌とした写真による屏風などを作り、2022年に行われた姫路市立美術館での『杉本博司 本歌取り―日本文化の伝承と飛翔』にて公開してきた。それから約1年、「本歌取り」のコンセプトをさらに拡大して解釈し、数多くの新作などによって再構成した展覧会が、東京の渋谷区立松濤美術館にて開かれている。 杉本博司『富士山図屏風』 2023年 作家蔵 北斎の「赤富士」が描かれた場所は諸説あるが、杉本は山梨県の三ツ峠山を選んだ。現地へは道なき道をジープに揺られながら向かったという。なお山の稜線は「赤富士」と同じく急勾配になるよう誇張されている。

東国への旅中に、人々が目にする富士山をモチーフとした新作とは…?それが北斎の『冨嶽三十六景 凱風快晴』を本歌にした『富士山図屏風』だ。古くから日本の象徴的存在として捉えられ、人々の信仰の対象でもあった富士山は、さまざまな作家によって幾度となく表されてきた。そして杉本は特に有名な通称「赤富士」こと『冨嶽三十六景...

このほかにも書における臨書をもとに、暗室で印画紙の上に現像液、ないし定着液に浸した筆で書いた「Brush Impression」などの新作をはじめ、第7場面「死に薬」を狂言演目の「附子(ぶす)」の本歌と捉えた室町時代の『法師物語絵巻』が公開されるなど、現代と古典の作品とが互いに響くようにして並んでいる。また会場の渋谷区立松濤美術館は、杉本が深く敬愛する建築家の白井晟一による設計。杉本の所蔵する白井の書『瀉嘆』や移築計画が進む「桂花の舎」の移築後の模型が展示されているだけでなく、普段、仮設壁で覆われている展示室のガラス窓もオリジナルに近いかたちになるなど、白井の建築思想を尊重した空間が実現している。「東下り」を果たし、より深みを増した杉本の「本歌取り」の世界を、白井の瞑想的ともいえる建築にて体感したい。大田南畝『十一牛図 円相 素麺のゆでかげん』 江戸時代後期 杉本表具 杉本博司蔵杉本博司『カリフォルニア・コンドル』 1994年 杉本表具 作家蔵 「厘細録 ブロークン・ミリメーター」 2005年 翡翠 古墳時代 小田原文化財団蔵『杉本博司 本歌取り...

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