2場所連続全休明けの横綱・照ノ富士が、東前頭筆頭・隆の勝を寄り切って初白星を挙げました。両膝痛や糖尿病を抱え、近年は休場が多い一人横綱は、取組後、進退をかけるほどの決意で今場所に臨んでいることを明かしました。
２場所連続全休明けの横綱・照ノ富士が、東前頭筆頭・隆の勝を寄り切って初白星を挙げました。両膝痛や糖尿病を抱え、近年は休場も多い一人横綱は取組後、進退をかけるほどの決意で今場所に臨んでいることを明かしました。綱取りに挑む２大関は、琴桜が小結・阿炎に突き出されて初黒星を喫し、豊昇龍は東前頭２枚目・翔猿を寄り倒して２連勝と明暗が分かれた。大関・大の里は西同筆頭・霧島を押し出して初白星を挙げました。 一日からの連敗は許さなかった。照ノ富士は後がない状況で意地を見せました。隆の勝とは過去７勝５敗。最後に出場した昨年７月の名古屋場所で１４日目に金星を許し、優勝決定戦で下した難敵でした。土俵際で粘る相手に上手投げを交えながら攻め続け、腰を落として寄り切りました。約半年ぶりとなる白星に「今場所は自分の中でやれることをやって、ダメだったらダメという思いは持っていた。一つ自信になった」。一人横綱が見せた不屈の精神に、満員の館内から大きな拍手が送られました。
両膝痛や糖尿病などによる２場所連続全休から復帰した初場所は、初日に不覚を取りました。小結・若隆景の肩透かしで転がされ、わずか１秒で黒星。「（初日は）自分で変なことを考えて、悔いが残っていた。今までの相撲をもう１回やってみようという思いだった」。積極的な姿勢を取り戻し、窮地を脱しました。覚悟の土俵だった。横綱昇進後の２１場所で黒星スタートとなったのは５度目。昨年は２度とも途中休場に追い込まれていました。支度部屋では「この１勝は大きいか」と問われ、少し考え込んだ後で「今場所で自分の全てを出し切ってやりたいなと思っていた。後先を考えずにやりたいなと思っている」と素直な心境を語りました。この日は母・オユンエルデネさん、ドルジハンド夫人と２歳の長男・照務甚（てむじん）くんを国技館での観戦に呼んでいたことも、自ら明かしました。「勝っている姿を見せられて、良かったなと思います」。言葉の端々に、進退をかけるほどの決意をにじませた３３歳。１１度目の優勝へ、不退転の覚悟で挑んでいく。（林 直史
SUMO SHOHNOFUJI FIRST VICTORY RETURN
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