浦添市長選で、市政野党は候補擁立に失敗し、市民が主体となって選挙戦を繰り広げました。オール沖縄勢力は、里道氏に推薦を出さずに、国会議員を動員する体裁を保ちました。軍港移設問題をめぐる県との整合性を求め、候補者探しに奔走した市議団の努力は水泡に帰りました。選挙戦は約1万5千票を獲得した市民の奮闘の影で、オール沖縄勢力の事実上の不戦敗に終わりました。
「彼女は普通の市民。オール沖縄のふがいなさを感じる。普通の市民が、市長選に出ざるを得ない現状を作ってしまっている」。浦添市長選の告示まで残り4日に迫った1月29日、里道昭美氏の出馬会見で浦添西海岸の海を守る活動をする団体の共同代表が、胸中を吐露した。4年前から決まっていた市長選で、候補を擁立できない市政野党の現状が信じられなかった。「万全でない現職」からの市政転換へ。候補擁立の話し合いで、複数の市議が「県は軍港移設に合意した。市長選で移設に反対するのは、矛盾をはらみ戦えない」と指摘し、県議に「賛成反対問わず」、軍港を巡る考えの整合性を県と図るように求めた。しかし、県議は「ねじれは存在しない」と、取り合わなかった。
昨年11月半ば、県議の動きの鈍さに業を煮やし、市議団の一部が候補者捜しに奔走。県と調整が図れる候補として謝花喜一郎元副知事に出馬を求めたが固辞された。沖縄市やうるま市のように、市選出県議が立つこともなかった。「オール沖縄」の論理が足かせとなり、候補擁立は実現ならず、市議の努力は水泡に帰した。 市民が主体となって始まった選挙戦。オール沖縄勢力の各政党は、里道氏に推薦を出さず、国会議員を集会や遊説などに参加させ、体裁を保った。選挙戦は約1万5千票を獲得した市民の奮闘の影で、前回選挙以上の足並みの乱れから、事実上のオール沖縄の“不戦敗”で終わった。 共産党の重鎮は「勝ち負けではなく(軍港移設)反対の旗を掲げることに意味がある」と強調。普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を引き合いに「反対を掲げ続けていれば、時が来た時に辺野古のようにその旗に集まってくることが可能になる」と語った。
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