河瀨直美監督が日本社会に指摘「死やセックスの意味での性を子供に語らない。タブーという感じ」

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河瀨直美監督が日本社会に指摘「死やセックスの意味での性を子供に語らない。タブーという感じ」
河瀨直美たしかにあった幻Pagination

河瀨直美監督(56)が、公開中の4年ぶりの新作映画「たしかにあった幻」で日本の社会に課題を投げかけた。神戸の臓器移植センターで働くフランス人女性医師が小児移植… - 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト、ニッカンスポーツ・コム(nikkansports.com)。

神戸の臓器移植センターで働くフランス人女性医師が小児移植医療を促進しようと、脳死したドナーからの心臓移植を待つ子供と家族の声を聞き、日本人医師と議論しても、欧米と異なる死生観、倫理観の壁から時に衝突し、苦悩する姿を描いた。臓器移植が進まない日本の現状を踏まえ、同監督は「課題にメスを入れず、議論しない」などと日本の社会を評した。「 たしかにあった幻 」は、22年の東京五輪公式記録映画「東京2020 SIDE:A、B」と、テーマ事業プロデューサーを務めた25年の大阪・関西万博の間の24年夏に撮影した。当初は欧米で議論を呼ぶ蒸発がテーマだった。ところが、失踪から7年たった人は家族が失踪宣告すれば死亡したと見なすことと、脳死したドナーからの臓器移植は提供者本人の意思が不明のため家族が判断することが「日本の制度上、家族が本人の生死を決定するところが似ている」点に着目。2つをテーマにすることに変更して取材を重ね、脚本を1年かけて開発した。 劇中で、主人公の女性医師が提示する形で臓器移植先進国スペインと日本を比較したデータを紹介。スペインには臓器移植を推進する財団DTIがあり、100万人あたりのドナー数は40・8人、移植の待機日数は88日と約3カ月になる。一方で日本は0・5人、待機日数も1719日、4年9カ月と先進国の中で最低レベルで、21年の待機数は1万3163人に上る。河瀨監督は「スペインでドナー数が多いのは若いお医者さんが地域に出て行き、みんなで話しているから」と説明した。 臓器移植に関する議論の場面では、本物の医師、当事者を起用し「自分が生きていくために臓器をいただいたことは、誰かに迷惑をかけた罪悪感がある」など、日本における倫理観などのリアルな声をフィルムに刻み込んだ。ドナーが見つかったと医師から告げられ心臓移植を望む子供と、ドナーが見つからずに亡くなった他の子供のことを思い苦悩する親も対比的に描いた。 河瀨監督は「日本では死や、セックスの意味での性を子供に語らない。タブーという感じ」と指摘。自身も最初は「息子が脳死状態で心臓を止めて臓器移植できるか? といったらできないと思っていた」と言う。取材して「脳死は臓器移植ができる状態になっている。別の状態でも命は生かされていく、奪っていないという考え方もできる」と、知ることで認識が変わったと強調した。 その上で「日本では議論し尽くされていない。当事者と医療関係者しか知らない“閉じている世界”になっている。社会を変えられる役割を持つ人に生の声が届いていない。ちゃんと、そういう選択もあると考えてもらうきっかけに映画がなるといい」と期待した。【村上幸将】 ◆「 たしかにあった幻 」 コリー(ビッキー・クリープス)は、国際人材交流事業の一環でパリから来日し、レシピエント移植コーディネーターとして働く。日々の業務の中で議論の場を設け、留学した移植先進国スペインの資料を提示したり、ドナーを待つ子どもや家族と日々、向き合いながら生の声を撮影した映像を上映するも、人手不足は深刻。日本人医師は目の前の命を救うことに精いっぱい。そんなある日、屋久島で出会い、心を支えてくれた恋人の迅(寛一郎)が、同居していた家から前触れもなく消えてしまう。.

神戸の臓器移植センターで働くフランス人女性医師が小児移植医療を促進しようと、脳死したドナーからの心臓移植を待つ子供と家族の声を聞き、日本人医師と議論しても、欧米と異なる死生観、倫理観の壁から時に衝突し、苦悩する姿を描いた。臓器移植が進まない日本の現状を踏まえ、同監督は「課題にメスを入れず、議論しない」などと日本の社会を評した。「たしかにあった幻」は、22年の東京五輪公式記録映画「東京2020 SIDE:A、B」と、テーマ事業プロデューサーを務めた25年の大阪・関西万博の間の24年夏に撮影した。当初は欧米で議論を呼ぶ蒸発がテーマだった。ところが、失踪から7年たった人は家族が失踪宣告すれば死亡したと見なすことと、脳死したドナーからの臓器移植は提供者本人の意思が不明のため家族が判断することが「日本の制度上、家族が本人の生死を決定するところが似ている」点に着目。2つをテーマにすることに変更して取材を重ね、脚本を1年かけて開発した。 劇中で、主人公の女性医師が提示する形で臓器移植先進国スペインと日本を比較したデータを紹介。スペインには臓器移植を推進する財団DTIがあり、100万人あたりのドナー数は40・8人、移植の待機日数は88日と約3カ月になる。一方で日本は0・5人、待機日数も1719日、4年9カ月と先進国の中で最低レベルで、21年の待機数は1万3163人に上る。河瀨監督は「スペインでドナー数が多いのは若いお医者さんが地域に出て行き、みんなで話しているから」と説明した。 臓器移植に関する議論の場面では、本物の医師、当事者を起用し「自分が生きていくために臓器をいただいたことは、誰かに迷惑をかけた罪悪感がある」など、日本における倫理観などのリアルな声をフィルムに刻み込んだ。ドナーが見つかったと医師から告げられ心臓移植を望む子供と、ドナーが見つからずに亡くなった他の子供のことを思い苦悩する親も対比的に描いた。 河瀨監督は「日本では死や、セックスの意味での性を子供に語らない。タブーという感じ」と指摘。自身も最初は「息子が脳死状態で心臓を止めて臓器移植できるか? といったらできないと思っていた」と言う。取材して「脳死は臓器移植ができる状態になっている。別の状態でも命は生かされていく、奪っていないという考え方もできる」と、知ることで認識が変わったと強調した。 その上で「日本では議論し尽くされていない。当事者と医療関係者しか知らない“閉じている世界”になっている。社会を変えられる役割を持つ人に生の声が届いていない。ちゃんと、そういう選択もあると考えてもらうきっかけに映画がなるといい」と期待した。【村上幸将】 ◆「たしかにあった幻」 コリー(ビッキー・クリープス)は、国際人材交流事業の一環でパリから来日し、レシピエント移植コーディネーターとして働く。日々の業務の中で議論の場を設け、留学した移植先進国スペインの資料を提示したり、ドナーを待つ子どもや家族と日々、向き合いながら生の声を撮影した映像を上映するも、人手不足は深刻。日本人医師は目の前の命を救うことに精いっぱい。そんなある日、屋久島で出会い、心を支えてくれた恋人の迅(寛一郎)が、同居していた家から前触れもなく消えてしまう。

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