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平成31年の東京・池袋の乗用車暴走事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われ、禁錮5年の実刑判決を受けた旧通産省工業技術院元院長の飯塚幸三受刑者(93)が死亡していたことが分かった。事故は、飯塚受刑者が87歳で乗用車を暴走させ、自転車で横断歩道を渡っていた母子をはねて死亡させる凄惨なものだった。令和3年の東京地裁判決によると、飯塚受刑者は約10秒にわたり乗用車のアクセルを踏み続け、最大時速約96キロまで加速。横断歩道を渡っていた松永真菜(まな)さん=当時(31)=と長女、莉子(りこ)ちゃん=同(3)=をはねて死亡させたほか、9人に重軽傷を負わせた。公判では、弁護側が「ブレーキペダルを踏んだにも関わらず暴走した」と主張したが、判決はペダルの踏み間違いと認定した。
飯塚受刑者は控訴せず、禁固5年を言い渡した実刑判決が確定した。判決後に初めて自らの過失を認め、「暴走は私の勘違いによるブレーキとアクセルを間違えた結果だったと理解した」などとするコメントを発表した。5年10月には、妻子を亡くした松永拓也さんらが起こした損害賠償訴訟で、東京地裁が飯塚受刑者に計約1億4000万円の賠償を命じた。飯塚受刑者は事故後、在宅起訴され、公判中は一貫して「アクセルの踏み間違いはなかった」と無罪を主張した。飯塚受刑者が旧通産省工業技術院の元院長だったこともあり、SNSでは逮捕されなかったことなどについて、「上級国民」となどの揶揄も渦巻いた。 判決では、こうした指摘が「過度な社会的制裁」とされ、量刑が禁錮7年の求刑を下回る一因となった。SNSによる誹謗中傷は遺族側にもおよび、東京区検が今年11月、松永さんらを中傷したとして、名誉毀損と侮辱の罪で、交通事故鑑定人として活動する一般社団法人「法科学解析研究所」(福岡市)の男性代表理事を略式起訴している。松永さんは今年3月、法務省の「被害者等心情聴取・伝達制度」を使い、飯塚受刑者に「どうすれば事故を起こさずに済んだか」という質問を送った。飯塚受刑者は4月、「運転しないことが大事です」と郵送で回答。松永さんは5月、飯塚受刑者と約50分間にわたり面会した。
松永さんは交通事故の予防や再発防止の啓発取り組み、遺族の心情やSNSの誹謗中傷に関する講演活動などを続けている。事故を受け、豊島区は2年7月、事故現場となった東京メトロ東池袋駅前の交差点に慰霊碑を設置した。(高木克聡)
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