森会長を会見で追及TBSラジオ澤田記者「聞くべきことを聞く」姿勢大切に 社会ニュース オトナのラジオ暮らし 澤田大樹 TBSラジオ
スポーツや生活情報、バラエティー番組にピリッと薬味を利かせるラジオニュース。取材、報道する記者はどんな人で、どんな取材をしているのか。新聞やテレビとどう違うのか。「オトナのラジオ暮らし」第2回は、森喜朗・東京五輪・パラリンピック組織委員会会長(当時)の女性蔑視発言を会見で追及。会長辞任への流れを決定づけたともいわれるTBSラジオの澤田大樹記者(37)を直撃。専門家の話も交えて、ラジオニュースの過去と現在、これからについて深掘りします。【取材・構成=秋山惣一郎】あの日は衆院予算委員会を取材するつもりだったんです。森さんの会見は別の誰かが行くんだろうと思ってました。でも「Session」という番組のスタッフと話して、私が急きょ、行くことになった。別に森さんのクビを取ってやろう、なんて意気込んでいたわけではありません。会見場には組織委員会担当の都庁記者クラブの記者のほか、外国メディアや夕刊紙、ウェブメディアの記者がいました。会見って「流れ」があるんです。みんなが聞くだろうという質問は、記者クラブの記者が聞いてくれるんで、私は、その流れを見ながら「ここが穴だな」「取りこぼしてるな」と思ったポイ
ラジオには戦時中、国策宣伝機関と化して、戦争遂行へ世論を誘導してきた苦い歴史がある。その反省から、当時のラジオ人(多くが、新聞社やNHKから移ってきた人だった)は、当局の発表に偏らない報道への意識が強く、連合国軍総司令部(GHQ)の支配、検閲にも抵抗感があった。戦争を経験した民放ラジオのDNAには、自由な報道、番組制作への志がある。それが戦後生まれのテレビとの違いだ。