日銀が18―19日に開催した金融政策決定会合では、賃金と物価の好循環を確認する上で春闘の1次集計などが決め手となり政策修正に踏み切るべきだとの意見が出ていたことが明らかになった。日銀が事前に「マイナス金利解除後も緩和的な金融環境が続く」との情報発信を強め市場が織り込んだことで、政策修正を決定しても混乱は生じにくいとの読みも後押した。追加利上げについては、経済・物価情勢をみながら「ゆっくりと着実に」進めていくのが適切との意見があった。
[東京 28日 ロイター] -
委員からは「本年の賃上げが象徴的な変化として確認された」として、「市場機能に副作用を及ぼしてきた政策対応を見直し、市場が自律的に機能する局面への転換が必要だ」との意見が出た。予想を上回る春闘での賃上げに加え、株価の史上最高値更新もあり「日本経済は歴史的な変曲点を迎えている可能性がある」との声もあった。ある委員は国債買い入れについて、実際には市場調節の担当部署が市場の状況に応じて柔軟に決めていく必要があり、例えば1―2兆円程度、「上下に多少のアローワンス(許容)」をもって対応していくことが適当だと指摘した。会合では財務省からの出席者が、政策修正について「引き続き、日銀が2%の物価目標の持続的・安定的な達成を目指すためのものと受け止めている」と述べた。日銀が緩和的な金融環境を維持するとしていることに触れ「引き続き、政府との緊密な連携のもと、2%物価目標の持続的・安定的な実現に向けて適切に金融政策運営が行われることを期待する」と発言した。
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。
債券市場の機能度DI、2月はマイナス29 小幅に4回連続改善=日銀日銀が1日発表した「債券市場サーベイ」の2月調査によると、債券市場の機能度に対する市場参加者の見方を示す機能度判断DIはマイナス29となった。前回2023年11月調査(マイナス31)から持ち直し、4回連続で改善した。マイナス圏ながら、2022年5月調査以来の高い水準。昨年10月のイールドカーブ・コントロール(YCC)の運用柔軟化以降、日銀の国債買い入れが減少傾向となる中、市場機能の改善が続いた。
続きを読む »
日銀、昨年上回る高水準の賃上げ実現に自信深める-関係者日本銀行はこれまでの企業の賃上げ表明やヒアリングなどを通じて、昨年を上回る高水準の賃上げ実現に自信を深めている。複数の関係者が明らかにした。市場で強まっている3月か4月の金融政策決定会合でマイナス金利が解除されるとの見方を裏付けるものとなる。
続きを読む »
日銀、マイナス金利解除支持に広がり 昨年上回る賃上げ期待=関係筋日銀は18―19日の金融政策決定会合でマイナス金利解除を含む政策修正について議論するとみられる。日銀では昨年を上回る賃上げ実現に期待感が高まっており、政策委員の間でも同会合でのマイナス金利解除を支持する声に広がりが出ているもようだ。ただ、足元の消費の弱さを警戒する声も根強い。日銀は13日の春闘集中回答や15日の連合第1次集計まで見極めた上で、最終的に判断する。複数の関係筋が明らかにした。
続きを読む »
【日本の解き方】日銀、マイナス金利解除を急ぐな 住宅ローンの変動金利上昇 三層構造が二層構造に…金融機関に280億円のギフト日銀が早ければ3月18、19日の金融政策決定会合でマイナス金利の解除に踏み切るという見方が出ている。
続きを読む »
焦点:日銀、試行錯誤の「異次元緩和」決別 産業界の窮状も後押しTakaya Yamaguchi Kentaro Sugiyama[東京 19日 ロイター] - 植田和男総裁が就任してから約1年、日銀が17年ぶりの利上げとなるマイナス金利政策の解除を決めた...
続きを読む »
【詳しく】日銀 マイナス金利政策を解除 異例の金融政策を転換日銀は、きょうまで開いた金融政策決定会合で、「マイナス金利政策」を解除し、金利を引き上げることを決めました。日銀による利…
続きを読む »