中国との外交を経験した元外務省幹部は「中国との外交協議は、疲れることが多かった」と語る。 →怖いのは米国より習近平、首脳会談から見えてくる中国の内部事情
みれば、台湾やウクライナ、北朝鮮など、習氏に言っておくべき問題がたくさんあった」と語る。中国は10月の共産党大会を経て、事実上の習近平独裁体制を固めた。この関係者は「いくら外交的に積み上げても、結局は習近平氏に伝わっていなければ意味がない。あるいは習近平氏が言ったことが全てだとも言える。だから、首脳会談は重要だ」と説明する。
米国にとって非常に重要な会談だったわけだが、ここで華麗に登場したのが、向かって習近平氏の右隣に座った王毅国務委員兼外相だった。王毅氏は69歳で、「67歳まで」としていた従来の政治局員の年齢制限を超えていた。だが、69歳の習近平氏が慣例を破って再選された「恩恵」を被り、10月の党大会でめでたく政治局委員に昇進した。早速、前任の楊潔篪氏に代わり、外交トップとしての地位を内外にアピールした形になった。王毅氏を巡っては、日本通という立場が、現在の緊張した日中関係のなかでマイナスに働くことを懸念し、「わざと日本に冷淡な態度を取っていた」という、あまりよろしくない評判をよく耳にした。 中国との外交を経験した元外務省幹部は「中国との外交協議は、疲れることが多かった」と語る。その一つが、東京ではなくて北京を向いた、中国外交官たちの姿勢だった。外交協議の場では、交渉の要点に入る前に、長々と中国の主張を論じる。歴史に触れることもあれば、個人的な体験を交えることもあるが、主張はいつも同じだ。一連の主張が終わると、ようやく最後に交渉の要点について触れる。元幹部は「それは全部、日本政府というより、北京の実力者たちに聞かせるものだからだ」と語る。これは、普段の外交接触でも慣例になっている。さすがに、他に誰もいないことが明らかな時は、日本側が「あなたの言いたいことは全部わかっている。ちゃんとしゃべったことにしてあげるから、省略したらどうか」と言うと、ばつが悪い笑顔を浮かべながら、「多少」省略することはあるが、やはり主張は続ける。
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。
デザインでPHEVを選ぶなら。遊び心とスタイルあふれるMINIのPHEVをピーター・ライオンが解説。 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)◤◢◤ ◥◣◥ MINIのPHEVを試乗 ◣◥◣ ◢◤◢ MINIならではのフィーリングはそのままに、エンジンと電気モーターのメリットを複合した走りは実に気持ちが良い。 今の時代にピッタリと合ったアイコニックな「動くアート」といった感じだ。 PR
続きを読む »
現場に身を置くことで知覚が刺激され、小説へと繋がっていく | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)少し前の話だが、芥川賞候補になったある小説について、筆者は現地に足を運ぶことなく、被災地を舞台にした本作品を書き上げた、と賛嘆されていた。現地に取材していないという事実が、想像力でここまで描けるという作者の実力を示すよりどころとして語られて
続きを読む »
テレワークのストレスに要注意 1日4件のリモート会議で無自覚のストレスが爆上がり | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)テレワークの会議のやり過ぎで、突然休職してしまう人が増えているという。無自覚のストレスを客観的に評価するアプリ『ANBAI』を提供するDUMSCOが行った調査によると、1日4件以上のリモート会議を行うと高ストレス者は37パーセントに達するも
続きを読む »
公立病院の9割が財政ピンチ 経営強化プランの策定が急務 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)地方自治体が運営する公立病院の87パーセントは、コロナ補助金がないと赤字経営になることがわかった。補助金がなくても黒字でやっていける病院はわずか13パーセント。そうした深刻な地方医療体制を立て直そうと、総務省が公立病院に求めている経営強化プ
続きを読む »