木村隆二被告（25）の裁判員裁判の論告求刑公判で、検察側は「多数の人を巻き込んだ悪質なテロ行為」と指摘し懲役15年の求刑を示しました。一方、弁護側は被告の殺意を認めず、再現実験の結果をもってしても殺傷能力が証明された範囲は限定的だったと反論しました。
岸田文雄 前首相の演説会場で 爆発物 が投げ込まれた事件で、 殺人未遂 などの罪に問われた 木村隆二被告 （25）の 裁判員裁判 の論告求刑公判が10日、和歌山地裁で開かれた。検察側は「自分の主張を通すため現職の総理大臣を狙い、多数の人を巻き込んだ悪質なテロ行為」と指摘し、懲役15年を求刑した。公判では、主に殺意の有無を巡って争われた。 検察側は論告で、 爆発物 の再現実験をもとに飛散した破片には拳銃の弾丸と同等程度の威力があったと指摘。事件当日に着用していたリュックに防護用の鉄板も入れていたことから、自身も 爆発物 の殺傷能力を認識していたと強調した上で、岸田氏の足元約1メートルの地点に投てきしたことなどから殺意や加害目的が認められるとした。 その上で「演説会が中止に追い込まれただけでなく、その後の 選挙運動 にも影響を与えるなど 民主主義 の根幹を揺るがす犯行」と非難。インターネットを利用して 爆発物 を自作し、有名政治家を狙う事件が相次ぐことがないよう「厳しく処罰して警鐘を鳴らす必要がある」とも訴えた。
一方、弁護側は最終弁論で、再現実験の結果をもってしても、爆発物に殺傷能力があると証明されたのは貫通したベニヤ板が設置されていた半径2〜3メートルだったと指摘。爆発まで時間がかかるよう導火線の長さで調整していた点を踏まえ、爆発時に同距離内に人が残っていたのは想定外で、殺意や加害目的は認められないと反論した。起訴状などによると、事件は2023年4月15日午前、和歌山市の雑賀崎漁港で発生。衆院補欠選挙の応援演説に訪れていた岸田氏に向かって、被告は自作の爆発物を投てきし、付近にいた警察官らに軽傷を負わせたとされる。岸田氏にけがはなかった
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