《早稲田大学第一文学部(当時)に留学したのが昭和34(1959)年。その翌年、大学は60年安保闘争の大きなうねりにのみこまれた》
留学した翌年が60年安保闘争で、日米安全保障条約改定に激しく反対していた早大の、しかも哲学や思想を研究する文学部だからすごい衝撃ですよ。授業は一切なくなり、教室では「学級討論」と称した集会が毎日開かれた。後年、親しくなった安倍晋三元首相との縁は、この60年安保闘争から始まったような気がする。おじいちゃんの岸信介元首相が学級討論で散々、悪者にされていたから。
でも、私はすぐ気がついた。安保条約改定について反対する声ばかり大きく、それに異論をはさむと糾弾されるので、何も言わずに黙っている人の方が大多数だ、と。そしてメディアの影響もあるな、とも思った。黙っている「サイレントマジョリティー」は報じず、少数の騒がしい人だけを取り上げていたから。さんざん焚(た)きつけておいて、国会前で女学生が亡くなったとたんに報道はピタッとやみ、騒動は沈静化した。主義主張のない人たちは、激しく叫ぶ一部の人たちやメディアに扇動されていたのだな、という思いだった。当時は早大で英語講師として授業を持っており、学内では安保条約の自動延長反対とか、授業料の値上げ反対とかで騒ぎになり、学生のつるし上げなどが行われていた。ある日、授業を始めようとしたら、教室の雰囲気がなんか違う。「どうしたの?」って聞いたら、その日につるし上げられている学生が、クラスの子だって言うじゃない。
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