ふさわしい赤になるように納めている昔ながらのたたずまいの工房にお邪魔すると、60年近くこの場を担う熟練の染師と6代当主の吉岡更紗氏が仕事をしていた。更紗氏は紅花で作った赤の泥…|BIGLOBEニュース
昔ながらのたたずまいの工房にお邪魔すると、60年近くこの場を担う熟練の染師と6代当主の吉岡更紗氏が仕事をしていた。更紗氏は紅花で作った赤の泥を薄めたものを刷毛に含ませ、和紙の上をすーっと上下に動かして染めていた。「工房は歳時記のように進み、常に慌ただしく1年が過ぎます」と語る。「伝統的な行事に関わる仕事はやめるわけにはいきません」。社寺からの依頼は緊張感を保ちながら先人の残した手技を尊ぶ仕事だ。紅花から色を汲み出して染める。それは現代の私たちが忘れかけている色ではないか。日本の色を極める更紗氏の人生に敬服した。
花びらは渇いてもすぐに染料にはできない。「寒の紅花といわれ、昔から寒ければ寒いほど、きれいに色が出るのです」と話す。同じ頃、紅花を輝かせるのに欠かせない烏梅造りも行う。10月に稲ワラを大量に燃やして灰を作るのは紅花から色を抽出させる液を作るためだ。そして、貴重な紅花から取った泥状のものを水で薄め、刷毛に含ませ塗っていく。白い和紙に赤をひいては干し、またひいては干して染めてを繰り返し60枚を染める。なんて手間のかかる作業なのだろう。「今年は7回塗りました」と更紗氏。それにしても、出来上がった紙は深い赤の色を湛えている。2.乾燥させた紅花の花びらから色素を抽出する。花が持つ黄色の色素を水の中でもみ洗いして流し、アルカリ性の灰汁(あく)や酸性の米酢を加えるなどして赤の濃度を上げていく。更紗氏のところには最近、建築系の仕事依頼が多い。「ホテルの演出に日本の色を表わしてほしい」、外国人がトランジットに使う空港に「日本の美しい色を」と、冬春・夏秋と入れ替えられる情景を大空間で演出してほしいなど。お客さんからはどのシーズンも楽しめる構成だと好評だ。例えば、糸を染めて組ひもにしたもので虹を表わし、「色
紅花はもともと、シルクロードを東に進み、中国に行き日本にも伝わったといわれており、三重県伊賀市辺りが一番良く育つ場所だ。しかし、現在は収穫できて10〜20キロだそう。前述した東大寺に納める椿の造り花用の和紙は1枚濃い色にするには、1キロ使う計算。60枚納めるとしたら諸々考えても最低100キロくらい必要なので、80キロくらいは中国産の紅花を輸入している。「高貴な色はおのずと貴重な色」と更紗氏。!
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