日本にとっても温暖化対策は待ったなし。温室効果ガス排出量全体の約4割を占める電力部門は、発電時に温室効果ガスを排出する化石燃料に依存する状態が続いており、多様な電源をバランスよく組み合わせる「エネルギーミックス」の実現が欠かせない。
日本は2030年度に温室効果ガスを26%削減するだけでなく、50年までに80%削減するという高い目標を閣議決定しており、国際公約としてその達成が求められている。日本の場合、温室効果ガスの約4割を電力部門が排出しており、電源構成をどうするかが極めて重要となる。現在の電源構成は、原子力発電の割合が大幅に低下し、化石燃料に大きく依存する状態となっている。30年の26%削減を達成するには原子力を20~22%程度、再生可能エネルギーを22~24%程度にする必要があるが、50年の80%削減を実現するには、原子力と再エネといった非化石燃料の割合をさらに高めていかなければならない。 原子力を否定し再エネだけで気候変動問題に対処できると考えるのは、あまりにも楽観的すぎる。数値目標を達成するには、再エネと原子力を両軸として位置づける必要があり、世界の多くの環境NGOも原子力の有用性を認めている。 電力中央研究所では、50年の80%削減には、省エネを深掘りし、再エネを最大限増やした上で、原子力発電所の運転期間を現在の40年から最大60年に延長したとしても既存設備だけでは足りず、原子炉の新増設が必要だと試算している。 日本が主要国の責務として気候変動問題に貢献していくのであれば新増設は避けて通れない。技術の継承や新増設に必要な年月を考えると、もはや時間的な猶予はない。政府が腹を決め、動き出さないと、削減目標は水泡に帰すことになる。【プロフィル】えんどう・のりこ 京都大学大学院エネルギー科学研究科博士課程修了。経済誌副編集長を経て、エネルギー政策などの研究事業に従事。「エネルギー・環境問題に関する女性有識者会議」を主催。著書に「原子力損害賠償制度の研究-東京電力福島原発事故からの考察」(岩波書店)。.
日本は2030年度に温室効果ガスを26%削減するだけでなく、50年までに80%削減するという高い目標を閣議決定しており、国際公約としてその達成が求められている。日本の場合、温室効果ガスの約4割を電力部門が排出しており、電源構成をどうするかが極めて重要となる。現在の電源構成は、原子力発電の割合が大幅に低下し、化石燃料に大きく依存する状態となっている。30年の26%削減を達成するには原子力を20~22%程度、再生可能エネルギーを22~24%程度にする必要があるが、50年の80%削減を実現するには、原子力と再エネといった非化石燃料の割合をさらに高めていかなければならない。 原子力を否定し再エネだけで気候変動問題に対処できると考えるのは、あまりにも楽観的すぎる。数値目標を達成するには、再エネと原子力を両軸として位置づける必要があり、世界の多くの環境NGOも原子力の有用性を認めている。 電力中央研究所では、50年の80%削減には、省エネを深掘りし、再エネを最大限増やした上で、原子力発電所の運転期間を現在の40年から最大60年に延長したとしても既存設備だけでは足りず、原子炉の新増設が必要だと試算している。 日本が主要国の責務として気候変動問題に貢献していくのであれば新増設は避けて通れない。技術の継承や新増設に必要な年月を考えると、もはや時間的な猶予はない。政府が腹を決め、動き出さないと、削減目標は水泡に帰すことになる。【プロフィル】えんどう・のりこ 京都大学大学院エネルギー科学研究科博士課程修了。経済誌副編集長を経て、エネルギー政策などの研究事業に従事。「エネルギー・環境問題に関する女性有識者会議」を主催。著書に「原子力損害賠償制度の研究-東京電力福島原発事故からの考察」(岩波書店)。




