地域の戦争見つめ直し「自分ごとに」 次世代への継承考える 「続・知る事典」発刊シンポ 沖縄 - 琉球新報デジタル
【糸満】県内自治体がまとめた市町村史の「戦争編」を基に、地域ごとに異なる沖縄戦の被害や証言をまとめた「続・沖縄戦を知る事典」の発刊記念シンポジウム(沖縄戦若手研究会主催)が15日、糸満市の県平和祈念資料館で行われた。戦後80年を前に戦争体験を聞けなくなる時代を見据え、各地域の戦争被害や証言、地域史を見つめ直し、次世代の子どもたちが自分ごととして捉える平和教育につなげる重要性などが語られた。
シンポジウムでは執筆者らが登壇した。沖縄戦研究者の川満彰さんは本島内でも南部と北部で戦争の特徴が違うことを踏まえ、被害の程度を巡って体験者にもさまざまな受け止め方があることに触れた。戦争を人災と捉え、非体験者として「一人でも亡くなれば戦争責任を追及しないといけない」と、歴史を継承する意義を語った。 各登壇者からも、空襲と飢餓に苦しんだ宮古諸島や、米軍の物資集積所となった後に解放された土地の境界線を巡り人間関係が崩れた与那原町での例など、戦争被害の多様な側面が報告された。同研究会顧問の吉浜忍さんは「地域や個人の異なる部分を重ねて見ていくことが重要」と語った。参加した琉球大1年の棚原小琴さん(19)は「沖縄戦を自分ごととして、身近な視点から考えていく大切さを感じた。平和学習でもそうした教材が大事だと思う」と話した。同1年の田淵雅文さん(19)は「沖縄戦に無関心ではだめで、継承していこうという声をいかに広げるか、聞く側も考えていく大事さを感じた」と話した。
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