世界初の回収可能な小型人工衛星を開発する宇宙スタートアップに元JAXA上席技術者が加入
ELS-Rは、現在ISSで行われているような微小重力環境での実験や、半導体製造やエンターテインメントなど宇宙の商用利用を行う小型人工衛星の打ち上げから回収までを提供するサービスです。人工衛星は通常、役割を終えると軌道から外れて地球大気圏に再突入し燃え尽きることを想定して作られているので、一度宇宙に飛ばした人工衛星を地上で回収するためには、思いのほか高度な技術を要します。
ISS用の物資補給船「こうのとり」は全長10メートル、直径4.4メートルと大きなものですが、それでも役割を終えて大気圏に再突入すると燃え尽きてしまいます。それを思うと、小型衛星を燃やさずに地上に戻すのがどれほど大変なことかがわかるでしょう。また、決められた場所で回収するには、軌道上での高精度な制御も必要となります。 「はやぶさ」計画では、小惑星で採取したサンプルが無事に回収されましたが、そうした事例は国内ではJAXAが数件、海外でもわずかしかありません。ElevationSpaceによれば、そうした技術を持つ民間企業は世界にも例がないとのことです。 そこで、「はやぶさ2」の大気突入、着陸、回収の技術開発を指揮してきた藤田氏の知見は、「ELS-Rの再突入カプセルの開発においても非常に有意義」だとElevationSpaceは話します。また藤田氏は「まずは宇宙から地上への物資を運ぶ輸送システムを実現し、いずれは人が宇宙と往来するシステムを日本でも実現したいと考えています」と大きな意欲を語っています。
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