【ニューデリー時事】モディ政権の2期10年で高成長を遂げたインド経済。国際通貨基金(IMF)によると、名目GDP(国内総生産)は来年にも日本を抜き、世界4位に浮上する見通しだ。一方、国内では当局による捕捉が困難な「非公式部門」に従事する労働者の割合が全体の約9割に上る。雇用を巡る問題は、6月まで実施中の総選挙の争点となっている。
40度を超える気温の中、首都ニューデリーの商業エリアの一角で男性が立ち寄った人の靴を磨いていた。西部ラジャスタン州出身のバブル・シンさん(24)。この場所で約14年間、靴磨きで生計を立ててきた。幼少期に父親を亡くしたため働かざるを得ず、小学3年生までしか教育を受けていない。
稼ぎは月1万5000ルピー(約2万8000円)ほど。「生きるだけで精いっぱい」で、税金は納めず、社会保険にも加入していない。「この小さなビジネスから抜け出したい。政府は貧しい人に社会保障を与え、助けてほしい」と話す。 靴磨きを含む露天商や建設現場の日雇い仕事、家事労働など、行政の指導を受けない小規模な経済活動は「非公式部門」(インフォーマルセクター)と呼ばれる。国際労働機関(ILO)はインドの労働者のうち、非公式部門に従事する人の割合は9割近いと分析。地元メディアによると、こうした労働者は法律に守られず、低賃金や健康問題に苦しむ人も多い。 一方、時事通信の取材に応じた経済学者のアルン・クマール氏によれば、国内生産への非公式部門の寄与度は約45%。非公式部門のデータを迅速に把握することは困難なため、公表されるGDPには実態が適切に反映されていないという。
同氏は、「非公式部門」の効率は大企業を含む「公式部門」と比べて低いにもかかわらず、公式部門と同等と想定して推計データが算出されていると指摘。インドの経済成長率には「上方バイアス(偏向)がかかっている」と説明した。
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