米民主党の大統領候補ハリス副大統領(59)は22日の指名受諾演説で、11月の大統領選に向け「未来」や「前進」といった明るく前向きなメッセージを打ち出した。現状への不満や怒りを力の源泉とする共和党のトランプ前大統領(78)と対照を成すイメージ戦略は、支持層を活気づかせている。ただ、勢い任せの選挙には政策面で未熟さも指摘され、初の女性大統領誕生へ克服すべき課題が残されている。
ハリス氏は約40分間の演説で、インド系移民の母に育てられ、親友の性的被害が検事を目指すきっかけになったなどと自身の経歴を披露した。「私にはどこへ行っても誰に会っても、前に進む用意のある国の姿が見える。この国では何でも可能だ」と米国の美徳に触れながら、「対立候補は毎日国をけなしている」とトランプ氏をなじった。
バイデン大統領(81)の選挙戦継続を巡り分断を極めた民主党を、同氏の撤退表明後に瞬く間にまとめ上げ、「予期せず登場した党の救世主」(ウォール・ストリート・ジャーナル紙)となった。わずか1カ月で約5億ドル(約730億円)の巨額献金を確保し、世論調査ではトランプ氏に対する優位を日増しに強めている。 「トランプ氏は暗く恐ろしい米国の『冬』。バイデン氏の『春』を経て、喜びのエネルギーに満ちたハリス氏の『夏』を迎えた」。党大会に参加したシカゴ在住のマリア・パイクさん(70)は、ムードの変化をこう表現した。 ハリス氏の参入により、「バイデン氏でもトランプ氏でもない候補」を求めてきた「ダブルヘイターズ」と呼ばれる有権者層も縮小した。こうした層の受け皿となってきた無所属のロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)は支持率を急激に落とし、近く撤退を表明すると伝えられている。中流家庭の出を強調するハリス氏は、「誰もが競争と成功の機会を得られる」社会の実現を約束。中・低所得層を意識した生活コスト低減を前面に打ち出すものの、「価格つり上げ禁止令」など漠然とした内容に早くも疑問符が付いた。政治専門紙ポリティコの世論調査分析によれば、ハリス氏は非白人や女性有権者の支持を集める一方、白人や男性の支持は横ばいだった。大統領選予測で知られるエモリー大のアラン・アブラモビッツ名誉教授(政治学)は「僅差でハリス氏が優勢だが、接戦だ」と現状をみる。
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