高校野球・夏の甲子園準決勝(21日)○関東一2―1神村学園●1点を巡る試合は絶妙な「バックホーム」で決まった。関東一の中堅手・飛田優悟の肩が勝敗を分けた。ハイライトは、...
ハイライトは、1点リードで迎えた九回の守備だった。2死一、二塁。一打で同点、長打が出れば逆転の可能性もある場面だ。飛田は思考をめぐらせていた。「相手の投手がすごく良いので、1点もあげたくない」。定位置よりもやや前寄りに守備位置を変えた。
神村学園の打席は代打・玉城功大。1ボール2ストライクからの5球目、外角の直球をはじき返した打球は、二遊間を破った。二塁走者の岩下吏玖は、相手投手がストライクゾーンに球を投げた時点でスタートを切る「ストライクゴー」で走り出した。三塁コーチャーは勢いよく腕を回し、岩下も迷いなく三塁ベースを蹴った。 一方、関東一の飛田は「絶対に(三塁を)回ると思った」と目線の先は捕手のミットだけだった。イレギュラーを恐れず打球に突っ込んだ。「刺せる」。ノーバウンドのストライク返球を受けた捕手の熊谷俊乃介が、ヘッドスライディングする相手の岩下にタッチした。判定はアウト。「最初はジャッジが分からなくてやばいと思ったが、ホッとしました」という飛田。甲子園が大歓声に沸いた。関東一がこだわってきたのが守備だ。だが、飛田は送球に悩んでいた時期があったという。前日の練習でも送球をそらす場面が目立った。この試合でも米沢貴光監督は、四回の先制点を許した中前打での飛田の動きを見逃さなかった。「(前への)詰めが怖がってしまっているように僕には映った」。六回ぐらいで飛田を呼んだ。「怖がらず、詰めていいぞ。思い切っていかないと」。米沢監督の言葉に飛田の覚悟は決まった。
今大会で内野陣の好守がチームを救ってきたが、飛田も「外野のファインプレーは流れを変えられる。だから外野手も(内野手に)負けないように練習してきた」と強調する。くしくも1996年8月21日は、決勝で熊本工と対戦した松山商(愛媛)の右翼手による本塁ダイレクト送球の「奇跡のバックホーム」があった日。関東一は外野手のビッグプレーで初の決勝への扉を開けた。【吉川雄飛】
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