冷戦終結30年 大国間の新たな争い 世界の分断や軍拡競争の懸念 nhk_news
一方で、各国の首脳間では足並みがそろわない状況が目立っています。アメリカのトランプ大統領は「アメリカの負担ばかりが大きい」として防衛費を引き上げるよう各国に強く迫ってきました。 また、フランスのマクロン大統領はことし10月、トランプ大統領がシリア北部から部隊の撤退を指示した際や、トルコがクルド人勢力に対して軍事作戦を展開した際に、NATOとの事前の調整がなかったことについて批判し、「NATOは脳死状態に陥っている」と発言して危機感を示しています。 これに対してトルコのエルドアン大統領はイスタンブールで行った演説で「脳死でないかどうか、あなたこそ調べたほうがいい」と強く反発しました。冷戦時代、旧ソビエトに対抗するためにアメリカ主導で創設された軍事同盟・NATOですが、ここにきて存在意義と同盟の結束を示せるかが大きな課題となっています。冷戦終結を受けて、地球最後の日までの残り時間を象徴的に示す「終末時計」は、いったんは「17分」となって、冷戦後の和平に期待が高まったものの、その後、イラク戦争や核の拡散などで状況は悪化し、現在は「2分」と過去最短で混迷深まる国際情勢を表しています。それによりますと、30年前の冷戦終結宣言を受けて1990年は残り時間が6分から10分へとそしてその翌年の1991年には17分まで戻され、冷戦後の和平に期待が高まりました。しかし、その後、インドやパキスタンの核実験、北朝鮮やイランの核開発など、核の拡散の問題が深刻化したほか、同時多発テロやイラク戦争それにシリアの内戦などが相次いだ結果、終末時計の残り時間は縮まる傾向が続きました。残り2分は、冷戦期にアメリカと旧ソビエトによる核実験競争が過熱していた1953年と並んで過去最短で、冷戦後の和平の期待から一転して混迷深まる国際情勢を表しています。 30年前に冷戦の終結を宣言した旧ソビエトのゴルバチョフ元書記長は、宣言の場となった地中海のマルタの新聞のインタビューに応じ、「新冷戦」とも言われる今の世界情勢に懸念を示したうえで、トランプ大統領やプーチン大統領にかつてのマルタの精神で核兵器の廃絶に向けて協力を再開させるべきだと訴えました。このなかでゴルバチョフ氏は「冷戦の終わりは私たちの共通の成果だった。対立に終止符を打とうとしたリーダーたちが勇気と責任を持って行動したと考えている」と述べ、対立を乗り越えようとした当時の指導者たちの心境を語りました。そして「マルタの精神で協力を再開させるべきだと世界のリーダーたちに促したい。わたしたち一人一人が平和を維持し、核兵器のない世界に向かうため何ができるか考えるべきだ。『新冷戦』に向けて坂を下ってはならない」と述べて、トランプ大統領やプーチン大統領など世界の指導者たちに、核兵器の廃絶に向けて協力を再開させるべきだと訴えました。ロシア外交に詳しいモスクワ国際関係大学のウラジーミル・コージン教授は「アメリカとの関係は停滞というより深刻な崩壊状態にある。かつての冷戦よりもっと冷たい戦争が始まっている」と指摘し、米ロ関係は極めて悪化しているという認識を示しました。 そのうえで「アメリカはロシアを2級国家の地位におとしめたいと考えている。ロシアにプーチン政権を倒せるような野党勢力を築き上げたいとも思っている。つまりアメリカが関係悪化を招いている」と述べ、関係の改善に向けてはアメリカ側がロシアへの敵視政策を改めて対等な立場で話し合う環境を作るべきだと指摘しました。 また今後の米ロ関係に関しては「現在は関係改善のチャンスはない。ただもし来年、トランプ大統領が再選されればどうなるか見てみたい」と述べ、来年の大統領選挙の結果を受けたアメリカの政治情勢の行方に大きく影響されるという見方を示しました。.
一方で、各国の首脳間では足並みがそろわない状況が目立っています。アメリカのトランプ大統領は「アメリカの負担ばかりが大きい」として防衛費を引き上げるよう各国に強く迫ってきました。 また、フランスのマクロン大統領はことし10月、トランプ大統領がシリア北部から部隊の撤退を指示した際や、トルコがクルド人勢力に対して軍事作戦を展開した際に、NATOとの事前の調整がなかったことについて批判し、「NATOは脳死状態に陥っている」と発言して危機感を示しています。 これに対してトルコのエルドアン大統領はイスタンブールで行った演説で「脳死でないかどうか、あなたこそ調べたほうがいい」と強く反発しました。冷戦時代、旧ソビエトに対抗するためにアメリカ主導で創設された軍事同盟・NATOですが、ここにきて存在意義と同盟の結束を示せるかが大きな課題となっています。冷戦終結を受けて、地球最後の日までの残り時間を象徴的に示す「終末時計」は、いったんは「17分」となって、冷戦後の和平に期待が高まったものの、その後、イラク戦争や核の拡散などで状況は悪化し、現在は「2分」と過去最短で混迷深まる国際情勢を表しています。それによりますと、30年前の冷戦終結宣言を受けて1990年は残り時間が6分から10分へとそしてその翌年の1991年には17分まで戻され、冷戦後の和平に期待が高まりました。しかし、その後、インドやパキスタンの核実験、北朝鮮やイランの核開発など、核の拡散の問題が深刻化したほか、同時多発テロやイラク戦争それにシリアの内戦などが相次いだ結果、終末時計の残り時間は縮まる傾向が続きました。残り2分は、冷戦期にアメリカと旧ソビエトによる核実験競争が過熱していた1953年と並んで過去最短で、冷戦後の和平の期待から一転して混迷深まる国際情勢を表しています。 30年前に冷戦の終結を宣言した旧ソビエトのゴルバチョフ元書記長は、宣言の場となった地中海のマルタの新聞のインタビューに応じ、「新冷戦」とも言われる今の世界情勢に懸念を示したうえで、トランプ大統領やプーチン大統領にかつてのマルタの精神で核兵器の廃絶に向けて協力を再開させるべきだと訴えました。このなかでゴルバチョフ氏は「冷戦の終わりは私たちの共通の成果だった。対立に終止符を打とうとしたリーダーたちが勇気と責任を持って行動したと考えている」と述べ、対立を乗り越えようとした当時の指導者たちの心境を語りました。そして「マルタの精神で協力を再開させるべきだと世界のリーダーたちに促したい。わたしたち一人一人が平和を維持し、核兵器のない世界に向かうため何ができるか考えるべきだ。『新冷戦』に向けて坂を下ってはならない」と述べて、トランプ大統領やプーチン大統領など世界の指導者たちに、核兵器の廃絶に向けて協力を再開させるべきだと訴えました。ロシア外交に詳しいモスクワ国際関係大学のウラジーミル・コージン教授は「アメリカとの関係は停滞というより深刻な崩壊状態にある。かつての冷戦よりもっと冷たい戦争が始まっている」と指摘し、米ロ関係は極めて悪化しているという認識を示しました。 そのうえで「アメリカはロシアを2級国家の地位におとしめたいと考えている。ロシアにプーチン政権を倒せるような野党勢力を築き上げたいとも思っている。つまりアメリカが関係悪化を招いている」と述べ、関係の改善に向けてはアメリカ側がロシアへの敵視政策を改めて対等な立場で話し合う環境を作るべきだと指摘しました。 また今後の米ロ関係に関しては「現在は関係改善のチャンスはない。ただもし来年、トランプ大統領が再選されればどうなるか見てみたい」と述べ、来年の大統領選挙の結果を受けたアメリカの政治情勢の行方に大きく影響されるという見方を示しました。
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