パリ五輪代表５人を決める女子の個人総合の決勝が行われ、宮田笙子（１９）＝順大＝が優勝。２０１１年大会の鶴見虹子以来、１３年ぶりの３連覇で初の五輪代表入りを決めた。１９８４年ロサンゼルス五輪以来、メン
バー全員が初出場となり、全員が１０代も初めてとなった。エースの宮田が、平均年齢１７・６歳のフレッシュ５人娘をけん引し、花の都パリで６４年東京大会の銅メダル以来、６０年ぶりの表彰台入りに挑戦する。
喜びと決意の涙があふれた。宮田は日の丸がついた代表ジャージーに袖を通し、フロアを見つめた。「今まで一緒に戦ってきた選手たちを見て『頑張らないと』という気持ちになった」。けがなどでこの舞台にたどり着けなかった仲間らの思いが真っ先に浮かび、瞳がうるんだ。本番約１週間前に左太もも負傷のピンチも「練習してきた。自信を持って臨めた」。長く、苦しい選考レースを堂々戦い抜いた。 全てが決まる最後の４種目。最初の跳馬で全体１位の１４・３００点と好スタートし、段違い平行棒も全体４位の１３・７３３点でまとめ両手ガッツポーズ。平均台も落下なく乗り切った。五輪が決まる最後の床運動は、田野辺満コーチが、昨年亡くなった恩師・小竹英雄先生の写真を持って見守る中、大きなミスなく完遂。「いろんな人の支えのおかげ」と感謝が尽きなかった。
体操は、２人の兄の影響で始めた。練習を見学しながら、ブリッジをしたり、バランスを取るポーズをしたり。母に「私もできるよ、見て見て！」と猛アピール。４歳から競技を始め、のめり込んだ。力強さが武器の“パワフルガール”はインターハイ連覇など、世代の日本一に。２１年東京五輪後、同大会床運動銅メダルの村上茉愛さんら、代表メンバーが次々と引退。世代交代が一気に進み、村上らの下にいた次世代で「次のエース」と言われた宮田が台頭した。 とてつもない重圧に涙する時もあったが、期待に応えようと必死に向き合い続け、今では誰もが認めるエースに成長。花の都パリでは“笙子タイム”で世界を魅了する。女子代表は初めて全員が１０代。宮田と牛奥が最年長１９歳で、五輪時の平均年齢は１７・８歳となる。「ついていきたいと思ってもらえる存在になる」と宮田。「とりあえずかわいい」という伸び盛りの後輩たちと、６０年ぶり団体メダルの偉業に挑んでいく。（小林...
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