住民満足度13位なのに、「住みたい」100位圏外の街…緑地充実・都心へのアクセス良好 経済
毎年順位が注目される「住みたい街ランキング」だが、調査は20~49歳をターゲットに実施している。この世代は今後、就職や結婚、出産など住宅購入のきっかけとなる出来事を控えているからだ。多摩NT周辺の多摩センター、京王堀之内、南大沢の3駅の順位を改めて振り返ると……残念ながら過去5年は全て100位圏外だった。その根拠は、昨年から調査を始めた「愛されている街ランキング」にある。「住みたい街」は駅名での順位が注目されるが、こちらは実際に自治体に住んでいる人が街の満足度を5段階で評価し、平均点を算出する。多摩NT内の多摩市は昨年、3・898点で、都内13位と上位に進出した。池本さんは「『住みたい街』と順位が連動する傾向が強い中、多摩市の急上昇は目を見張るものがある」と注目している。 さらにこの調査では自然や子育て環境のほか、人間関係など、33の分野別でも住民が評価し、偏差値(50が平均)を算出している。多摩市は「通りや並木、住宅街が整然としている」「緑や川などの自然が豊富」の分野が上位20自治体の中でトップだ。これは「当初の都市計画が、狙い通り住民に評価されている」とも考えられる。外を歩いて楽しめる景観や豊かな自然の中での暮らしは、コロナ禍で注目されているキーワードの一つだ。「愛されている街」調査の上位20自治体で、多摩市が最も低かった分野の一つは「メディアで取り上げられてこれから発展しそう」だった。「『高齢化に直面する団地』という切り口で語られる機会がどうしても多い」と、池本さんは指摘する。タワーマンションの建設や大規模商業施設の開業を予定する街では、不動産会社が沿線駅構内などで様々な広告戦略を展開するが、多摩NTで目立つ動きはない。 そこで、池本さんが提案するのは、行政による「まねをしたい暮らし」の積極発信だ。例えば、人口増加率が全国792市で4年連続1位となっている千葉県流山市は、特設サイトで住民の写真を大量に掲載し、街の魅力をアピールしている。その結果、都心のベッドタウンとして、共働きの子育て世代を呼び込むことに成功している。 多摩NTでも、住民が街の魅力を発信する施設を開業したり、イベントを開催したりといった動きは出ている。池本さんは「そうした住民の生き生きとした姿を行政が拾い上げ、景観や自然とともに『こんな生活を送れたら幸せそう』と思ってもらえるPRが欠かせない」と見る。それはインフラ整備よりもコストをかけず実現可能だ。 池本さんは近年、多摩NT関連の講演活動を現地で行っている。「『住みたい街』の調査対象になるような世代の流入が進まなければ、街は持続していかない。等身大の魅力をうまく伝えられるかが、街の行く末を占うカギになる」と提言している。.
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