人間はずっと人間を誤解してきた:人類についてのあらゆる定説を覆す話題書『Dawn of Everything』

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人間はずっと人間を誤解してきた:人類についてのあらゆる定説を覆す話題書『Dawn of Everything』
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人間はずっと人間を誤解してきた:人類についてのあらゆる定説を覆す話題書『Dawn of Everything』 最新記事

『WIRED』のコントリビューター。『Magic and Loss: The Internet as Art』の著者。スティッチャー・ラジオの文化トーク番組「This Is Critical」の司会も務める。『WIRED』に来る前は、『The New York Times』のスタッフライターとして働き、テレビ批評、雑誌のコラムニスト、オピニオンライターを務めた。(万物の黎明)』[未邦訳]の著者のひとりであるデヴィッド・ウェングロウは当初、「万物の黎明」という表現は途方もなくばかげていると感じた。万物。万物! あまりにも壮大で、あまりにも奥深く、正気の沙汰とは思えないほど荘厳だ。本書の発行元となる一流出版社のペンギン・ブックスに歓迎されるとは思えない。

本書はこの試みに成功し、珠玉の1冊となった。3万年にわたる世界の文明の考古学的発見に関する緻密な学術的記載に、自由奔放なジョークと途方もなく独創的な哲学的表現とが織り交ぜられている。多くのノンフィクションがTEDのスター講演者の意に沿うような善悪二元論に陥りがちなこの時代に、『本書は冒頭で、ジャレド・ダイアモンドやスティーブン・ピンカーといった権威ある思想家による定説を簡単に紹介している。その典型が、古代人は生存という過酷な仕事しか頭になく、カロリーを追い求め、セックスと労働のために他者を服従させながら、短く危険な一生を送っていたという考え方だ。 本書を半分ほど読み終えたころ、自分がソクラテス的な恍惚感に襲われていることに気づいた。誤った思い込みの呪縛から突然、解放された気がしたのだ。自分の子どもを胸にしばりつけておく、トラに追われているつもりで全速力で走る、オスは繁殖力の強そうなメスが好きだから腰のくびれをキープする、男が種をまき散らせるよう最大限に尽くす……どれも先史時代の人間がしてきたことなのだから、現代人もそうするのが当然だと、いままでに何度聞かされたことだろう。

9年後、ウェングロウは2冊目の著書『What Makes Civilization?: The Ancient Near East and the Future of the West(文明とは何か 古代近東と西洋の未来)』[未邦訳]を出版した。そのなかで彼は、文明は技術的な奇跡が起こるたびに飛躍するものではなく、日常的な行動が少しずつ変化することで進展するものだと論じた。それからほどなく、彼は会議のためニューオーリンズに飛んだ。入国審査に並んでいると、温厚そうだがみすぼらしい身なりの人類学者が自己紹介してきた。デヴィッド・グレーバーである。グレーバーは、ウェングロウが商品ブランディングの古い事例として紹介した中東の円筒印章に関する研究に感銘を受けていた。一方のウェングロウは、円筒印章が何なのかを知っている人類学者と出会えたことに感動した。

集会の主催者は、ウェングロウをダブリンに招いたコナー・コスティックという人物だった。アイルランド人のSF作家で、1950年代のボードゲーム『ディプロマシー』のチャンピオンであり、熱心な左派活動家だ。出版早々『Dawn of Everything』に心酔したコスティックは、ウェングロウにメールを送り、少人数の前での講演を依頼した。会場は、アビーストリートにある古いビクトリアン様式のホテル兼パブ「ウィンズ」で、ホットドッグ屋のディスコから歩いてすぐの場所だ。 「彼女らは素晴らしい仲間で、わたしが何のためにそこにいるかを思い出させてくれました。わたしの目的は、デヴィッド・グレーバーとの共著のメッセージを、誰も予想していないような場所で伝えることだったのです」。ハンバーガーを頬張りながら、彼はいまだにある数値に呆然としているようだった。TEDの年会費が25,000ドル(約350万円)にもなるという数字だ。髪をポニーテールにし、ロズ・チャストの漫画のキャラクターのような雰囲気をもつコスティックは、それを信じようとしなかった。アイルランドの労働者の平均年収は35,000ドルほどだ。

今度は、リブというポルトガルのアナーキストに話を聞いた。労働者階級の敵を非難するバッジや、スペイン内戦を記念するバッジをつけている。「わたしたちは変化を起こさなければなりません。それもできるだけ早く……でないと、みんな殺されてしまいます」。こうした声は、ほかの『Dawn of Everything』信奉者の間でも上がった。この本は、現在のシステムを揺るがすものであり、さらに一部の読者にとっては、人間の搾取は不可避であるという敗北主義的な思想を拭い去るものなのだ。 ウェングロウは講演中、ダンバー数と呼ばれる理論に触れた。進化心理学人類学者ロビン・ダンバーによる疑わしくもあるが影響力を持つ理論で、人間が最適な機能を発揮できるのは150人までの集団であると主張するものだ。それ以上の集団をまとめるには銃や君主制、官僚制が必要になると示唆している。単純でわかりやすく、警察や企業幹部に都合のいい、空港の書店に並んだ「マネジメント」本や「リーダーシップ」本にぴったりの理屈だ。

ウェングロウは喜んだ。童顔の講師ニール・カーリンが、穏やかさを装ったアイルランド訛りでウェングロウのストーンヘンジに関する分析は間違っていると指摘したときも、ウェングロウは相変わらず喜んでいた。『Dawn of Everything』は、ストーンヘンジの建設について主流の説を焼き直しているだけではないか、とカーリンは問いかけた。カーリンの横柄さはたしかに興味深かったが、わたしが耳をすました理由は別にあった。ようやく、聞いたことのある遺跡が出てきたからだ。

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