イランは8月2、3日を休日にすると宣言した。一部地域で気温が50度に達するとの予報を受け、生命を脅かしかねない暑さに対応した措置だが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴う規制措置との不穏な類似も感じられる。この動きは、気候変動が公衆衛生リスクの高まりを引き起こし、人類の生命と世界経済に今後ますます深刻な犠牲を強いることを示している。
涼を求める旅行者(スペイン・ジローナ) 世界保健機関(WHO)は、季節的な平均からのわずかな気温の逸脱でも病気や死亡の増加につながると指摘。猛暑はけいれん、熱性疲労、呼吸困難、熱中症、異常高熱を引き起こし、けがをする可能性も高める。迅速な治療が施されなければ、容体は急速に悪化しかねない。湿度は発汗効率を低下させ事態を悪化させる。 国営イラン通信(IRNA)が2日に報じたところによると、イラン西部の都市デフロラーンでは、24時間の間に50人強が暑さに関連した症状で入院した。
インペリアル・カレッジ・ロンドンのアジーム・マジード教授(プライマリーケア・公衆衛生)は、水不足や劣悪な大気の中で、「熱波は医療システムにさらなる負担を強いた。イランのように、低所得で、すでに極端な高温に見舞われ、インフラがあまり発達しておらずリソースも乏しい国では、なかなかうまく対処できないだろう」と指摘する。 イランで宣言された休日は3日を過ぎても続く可能性があると、保健省の報道官がIRNAに語った。英気象庁(UKMO)によると、イランのアフバーズ近郊の最高気温は今後数日間、47-49度付近で推移すると予想されている。 どこの国も熱波の猛威に対処する緊急時対応策を講じる必要があると、英ラフバラー大学のジョージ・ハブニス教授(環境生理学・人間工学)は語る。これには健康警告システムの準備、医療機関の収容能力の拡大、気温が一定値を超えた場合に屋外での作業を労働者に強要しないことを徹底するための規制の整備などが含まれる。
教授は「それを必要とする地域はゆっくりと北上していくだろう。現時点ではスペイン、イタリア、ギリシャがこの問題について考えなければならなくなりつつあるが、昨年は英国でも異常な気温が見られた。今はまだ現実味がないように思えても、今後ますます重要性を増してくるだろう」と指摘した。
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