東地区のレバンガ北海道は、A東京との今季最終戦に臨み、78―85で敗れた。最終順位は同地区8チーム中7位だった。今季限りでの引退を発表しているチーム最年長のSG/SF桜井良太(41)は、スタメン出場
。3点シュートを決めるなど1アシスト3得点で現役最後の試合を終えた。
“桜”が舞った。第2クオーター(Q)6分15秒。左サイドでボールを受けた桜井は、迷わずシュートを打った。弧を描いたボールがゴールに収まると、会場は今日一番の盛り上がり。ピンク色の記念Tシャツを着て「桜色」に染まったレバンガ北海道の観客席は、背番号「11」の現役ラスト得点に沸いた。 先発出場は1月27日以来。左足首は骨折したままの状態で、痛み止めを飲み、力を振り絞ってコートに立った。持ち味の守備では体を張り、大柄な外国籍選手にも立ち向かった。トヨタ自動車A(現A東京)時代から積み重ねてきたファウル数は歴代最多の「2089」。この日も12分42秒の出場ながらチーム2位タイの3ファウルを記録し、泥くさくプレーする“桜井らしさ”を最後まで表現した。
北の大地でのプレーに後悔はない。愛知学泉大時代に日本代表に選出され、トヨタ自動車Aではリーグ2連覇と天皇杯優勝。輝かしいバスケットボール人生が続くと信じて北海道に移籍したが、思い通りには進まなかった。2007年から3シーズンプレーしたレラカムイが経営難により破綻。レバンガでは最下位争いを多く経験したが「自分は運がいい。みんなに送り出してもらえて、自分より今シーズン幸せな選手はいない」と、言い切った。 ここ数年は「引退」の二文字が常に脳裏をよぎっていた。それでも、右足に2回、左足に3回メスを入れながら通算での出場試合数「857」まで積み上げた。「チームメートが支えてくれて、ファンの皆さんが支えてくれて、チームの一員として最後まで戦わせてくれたことをうれしく思う」。北海道の桜が散り始めた5月。前人未踏の636試合連続出場を成し遂げた“北の鉄人”は、6116人の観衆に見守られながらコートに別れを告げた。◆桜井 良太(さくらい・りょうた)1983年3月13日、三重・桑名市生まれ。41歳。四日市工高から愛知学泉大に進学し、4年時に日本代表初招集。05年にトヨタ自動車A入り。06年世界選手権(現W杯)代表。07年にレラカムイ北海道移籍。家族は夫人と2女。194センチ、89キロ。
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