熊川哲也Kバレエ・オプトが、ヤングケアラーを主人公に新たな“シンデレラ”像を描く――家族との「愛」と「憎しみ」のはざまに生きる少女が見つけた愛の逆説と希望。写真:渡邉...
多くの人々の心の奥に潜む物語「シンデレラ」を、Kバレエ・オプトが日本の現実を生きるヤングケアラーを主人公に新たな物語として再生。振付・演出はジュゼッペ・スポッタ。彼は大家マウロ・ビゴンゼッティの弟子で、ヨーロッパで最注目の若き俊英振付家。衣裳はジェンダーレスブランド・MIKAGE SHINをリードする気鋭デザイナー進 美影。『シンデレラの家』作品解説 ――高野泰寿第3弾となる本作は、ヤングケアラーの少女を主人公に描く現代の「シンデレラ」。本来大人が担うべき責任である介護や育児を一手に引き受けざるを得ないヤングケアラーという存在は、かつての地域共同体が核家族化により崩壊し、人情の細やかだった下町も、隣にどんな人が住んでいるのかわからない状態になっている現代日本にこそ際立った問題といえる。
そのような状況下で、子どもたちは他者との結びつきを失い社会から孤立し、かえって家族関係は密度が濃すぎる窒息状態に似たものになる。そんな現代日本を生きるヤングケアラーである主人公の等身大の成長と人間愛を描く。 名作「シンデレラ」が下敷きではあるが、ディズニー版のような世にある恋愛の力によってのみ主人公が解放されることは起こらない。かつておとぎ話には、恋の成就以上に大切な「祈りの力(呪力)」が込められていた。シンデレラをはじめとするおとぎ話は、飢饉、領主の圧政、疫病、天災といったギリギリの社会状況で生まれ、大人たちは世の中の大混乱を前に、未来に知恵と希望を託すべく必死に物語った。そうした未来への「祈り」の伝播こそがおとぎ話の役割であった。
翻って、私たちが生きる社会を見渡すと、世界はまさに中世の混迷期さながらの社会変動を目の前にしている。しかも、かつて栄華を誇った日本経済は、バブル期の終焉とともに失われた30年という経済的陥没期に入り、その後、復活の見通しも立たず、相対的に貧しい国になってきた。日本はいま、子ども食堂に見られるように子どもたちがひもじく、食べるものに苦労している時代になりつつある。未来に希望を見いだせなくなってきた日本の社会。我々は、どんな希望を、どんな知恵を未来へと託すのだろうか?今を生きる子どもたちには、そんな我々が編む新しい「シンデレラ」が必要だ。いや、子どもたちだけではなく、我々自身も現代の「シンデレラ」を深く知る必要がありそうだ。
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