パナソニック エナジーは6月6日、車載電池事業の今後の方向性について説明。「北米1軸」のこれまでの事業方針を転換し、新たに「日米2軸」とすることを発表した。パナソニック エナジーの只信一生CEOは、「日米2軸への方針転換により、経営基盤および収益基盤を強化する」と述べた。
パナソニック グループでは、車載電池の主要顧客であるテスラへの供給だけでなく、2023年にルシッドの高級EV向けや、ヘキサゴンプルスの商用車への供給を発表。2024年3月には、スバルおよびマツダと車載電池の供給に関する提携を発表している。今回の「日米2軸」への方針転換は、北米市場でのEV需要の変化と、日本でのニッケル系円筒形電池の採用拡大の動きを捉えたものになる。
短期的には、大阪工場における人員シフトや原価改善を進めているほか、中長期的には、日系のOEMメーカーとの連携強化を図り、現行の1865から、より競争力がある2170を中心とした生産ラインに入れ替えることになる。また、新ラインの導入に関しては、北米向けの最新ラインで立ち上げを行ない、生産性を35%向上させることになる。さらに、和歌山工場では、4680を計画通りに量産し、これも国内車載電池事業の収益性改善につなげるという。まずは5GW規模での生産が見込まれる。ネバダ工場は、徹底した改善継続で収益性を最大化すると同時に、米国生産品の需要増に対応すべく生産能力を拡大する。2023年度には、作業者の熟練度に依存しない生産体制を構築することで、2021年度比で10%の生産数量増を実現したほか、品質ロスも2021年度比で2.5ポイント改善し、収益性が強化できたという。
「カンザスが本格稼働する2027年までの投資計画について変更はないが、2028年度以降の拡大投資については、市場環境を見極めながら柔軟に実施していく。北米市場では、中長期で成長性と収益性を両立する」という。負極材メーカーであるカナダのNMG(Nouveau Monde Graphite)と、長期供給契約を結ぶなど、北米サプライチェーンの構築も着実に進めていることも強調した。 また、高容量技術による商品力強化にも取り組んでおり、2170では、世界最高容量の800Wh/Lの電池を、カンザス工場で生産する予定であるほか、4680でも、将来的にはこの技術を応用して量産を行うという。高容量技術の応用によって、高出力が求められる新しい技術プラットフォームを確立していく考えも示した。「2021年度から、600人を超える技術人材が新たに入社している。研究開発棟は、それらの技術人材が、より活躍できる拠点になる」と位置づけた。同事業では、年平均売上成長率で14%増を見込んでおり、「電動アシスト自転車においては、台湾、日本、欧州などにおいて、業界をリードする顧客からの受注を獲得。その他の電動化に向けた実証実験にも取り組んでいる。今後、二輪市場において電動化の拡大が期待されるとともに、最大市場であるインドへの拡販も進めていく」とした。インドでの事業拡大に向けては、インディアンオイルとの協業を検討しており、今後、詳細を発表するという。
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