「パックマン」が東京に初めて登場した40年前、それが歴史上最も成功したアーケードゲームになると予想できた人は誰もいないのではないだろうか。パックマンの生みの親、岩谷徹氏は、当時主流だったシューティングゲームとはまったく違うものに取り組んでみたいと考えていた。
岩谷氏は当初、女性を引き付けるためファッションや恋愛をゲームのモチーフにすることを検討した。しかしやがて、女性は(失礼な話かもしれないが)食べることも好きなのではないかと考え、ものを食べるという行為それ自体をゲームの中心的なコンセプトに据えた。パックマンは米国など海外にも輸出され、瞬く間に人気を博した。81年から87年までの間に、全世界で30万台近い筐体が売れたとされる。 パックマンには、ビデオゲームのプレースタイルやデザインにおける革新的なアイデアがいくつも盛り込まれていた。その第一が「パワーアップ」の概念だ。通常よりも大きなドットで表現される「パワーエサ」を食べると、敵のゴーストが無力化し、逆にパックマンに食べられる存在になる。しかし最も重要だったのは、そのゲームに固有のメインキャラクターを登場させたという点だ。ビデオゲーム史の専門家、クリス・メリッシノス氏によれば、当時こうした例は他になかった。 同氏はパックマンについて「鮮やかに彩られたゲーム画面の中心に、性別もないキャラクターが居座っている」「突如(とつじょ)として、それは我々のマスコットになった。ビデオゲームに登場した最初のキャラクターであり、ただのイラストとしてではなく、ゲームそのものの中に存在していたのが画期的だった」と語った。 「(パックマンの登場によって)女性がアーケードを訪れるようになり、あらゆる世代が同じ場所でゲームを楽しむようになった。我々は初めて、攻撃性をテーマとしないゲームを手にした。それはパックマンがゲームの類型を根底から変えたということに他ならない。デザイナーが作り出すことのできるゲームの幅も広がった」(メリッシノス氏)ビデオゲームの歴史上重要な役割を果たしたことに敬意を表し、ニューヨーク近代美術館(MoMA)は2012年、パックマンを常設展示のコレクションに加えた。パックマンのシンプルさは、今もなお多くの人を虜にしている。2010年、グーグルはサイトのトップページのロゴを実際にプレーできるパックマンのゲーム画面に期間限定で改編した。ある研究によれば、期間中にユーザーがパックマンをプレーした時間の合計は約500万時間。ゲームに費やされた労働生産性を金額に換算すると、1億2000万ドル相当に上るという。岩谷氏が最後にパックマン関連の仕事を手掛けたのは2007年。現在同氏は東京工芸大学でゲームデザインを教えている。.
岩谷氏は当初、女性を引き付けるためファッションや恋愛をゲームのモチーフにすることを検討した。しかしやがて、女性は(失礼な話かもしれないが)食べることも好きなのではないかと考え、ものを食べるという行為それ自体をゲームの中心的なコンセプトに据えた。パックマンは米国など海外にも輸出され、瞬く間に人気を博した。81年から87年までの間に、全世界で30万台近い筐体が売れたとされる。 パックマンには、ビデオゲームのプレースタイルやデザインにおける革新的なアイデアがいくつも盛り込まれていた。その第一が「パワーアップ」の概念だ。通常よりも大きなドットで表現される「パワーエサ」を食べると、敵のゴーストが無力化し、逆にパックマンに食べられる存在になる。しかし最も重要だったのは、そのゲームに固有のメインキャラクターを登場させたという点だ。ビデオゲーム史の専門家、クリス・メリッシノス氏によれば、当時こうした例は他になかった。 同氏はパックマンについて「鮮やかに彩られたゲーム画面の中心に、性別もないキャラクターが居座っている」「突如(とつじょ)として、それは我々のマスコットになった。ビデオゲームに登場した最初のキャラクターであり、ただのイラストとしてではなく、ゲームそのものの中に存在していたのが画期的だった」と語った。 「(パックマンの登場によって)女性がアーケードを訪れるようになり、あらゆる世代が同じ場所でゲームを楽しむようになった。我々は初めて、攻撃性をテーマとしないゲームを手にした。それはパックマンがゲームの類型を根底から変えたということに他ならない。デザイナーが作り出すことのできるゲームの幅も広がった」(メリッシノス氏)ビデオゲームの歴史上重要な役割を果たしたことに敬意を表し、ニューヨーク近代美術館(MoMA)は2012年、パックマンを常設展示のコレクションに加えた。パックマンのシンプルさは、今もなお多くの人を虜にしている。2010年、グーグルはサイトのトップページのロゴを実際にプレーできるパックマンのゲーム画面に期間限定で改編した。ある研究によれば、期間中にユーザーがパックマンをプレーした時間の合計は約500万時間。ゲームに費やされた労働生産性を金額に換算すると、1億2000万ドル相当に上るという。岩谷氏が最後にパックマン関連の仕事を手掛けたのは2007年。現在同氏は東京工芸大学でゲームデザインを教えている。
