バンクシーがニューヨークに帰ってきた。有名なステンシル壁画の「風船と少女」やミッキーマウスを呑み込んだヘビの彫刻作品の「Mickey Snake」などが公開されている →バンクシーの反逆精神を堪能する「非公認」展覧会がNYで開催中 アート
この催しは、バンクシーが2013年10月から1カ月間ニューヨークに滞在し、市内のさまざまな場所で1日1作品のアートを制作したレジデンシーを回顧するイベントだ。2月16日から始まった展示では、有名なステンシル壁画の「Girl With Balloon(風船と少女)」やミッキーマウスを呑み込んだヘビの彫刻作品の「Mickey Snake」、防弾チョッキを着て微笑む2人の子どもたちを描いたシルクスクリーン「Jack and Jill」などが公開されている。
2013年にニューヨークに滞在したバンクシーのゲリラアートは、人々を魅了した一方で、当時のマイケル・ブルームバーグ市長に苛立ちの声を上げさせた。「グラフィティは人々の財産を破壊する、都市の衰退と管理能力の喪失の表れだ」と市長は述べていた。その際の街の混乱ぶりは2014年のドキュメンタリー映画『Banksy Does New York(バンクシー・ダズ・ニューヨーク)』の題材にもなった。 今回の展覧会のウェブサイトによると、当時のアート界はバンクシーの作品を懐疑的に見ていたが、ストリートアートを支持する人々は、アートを美術館から解放して公共空間に持ち込むというアイデアに賛同していた。「Better Out Than In」が彼のモットーだった。
バンクシーのアート、特に今回MetaMorfosi NYが企画した展示会の根底に流れるのは「パンク精神に満ちた不遜さ」だ。1994年の映画『Pulp Fiction(パルプ・フィクション)』の殺し屋たちが銃ではなくバナナを持っていたり、笑顔のミッキーマウスとドナルド・マクドナルドが、ベトナム戦争を象徴する写真の裸で泣き叫ぶ少女と手をつないでいたりするのがその例だ。バンクシーの挑発的で痛烈な作品は、戦争や反権威主義、反商業主義といった普遍的な問題を扱っている。
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