米民主党の大統領候補としてハリス副大統領に一躍注目が集まったことで、TikTok（ティックトック）やインスタグラム、Ｘ（旧ツイッター）にハリス氏のミームが拡散し、貴重な宣伝効果をもたらしている。ハリス氏陣営は、若者などの票に結びつくことを期待し、ネット上のジョークに目配せするメッセージを発信している。
拡散しているのは、ハリス氏のシンボルである「ココナツの木」の絵文字や、英人気歌手チャーリーＸＣＸさんがＸへの投稿で、最新アルバムを引き合いにハリス氏を評した「ブラット（悪ガキ）」という言葉。ハリス氏陣営は、この絵文字や斬新なライムグリーンのアルバムを戦略に反映させている。
しかし、専門家はミームを活用する選挙戦略はリスクが高いと指摘する。ミームへの過度の傾倒は、面白さを失わせたり、ミームが分からない人を遠ざけたり、政策や投票の重要性といったより大事なメッセージに注意が向かなくなったりする恐れがあるという。とはいえ、ハリス氏はできる限りの注目を集める必要がある。 ノースウェスタン大学コミュニケーション校のエリック・ニスベット教授は「副大統領は、ほとんどの米国民にとって関心の中心ではない。だが今の状況は、政治にあまり関心を示さない有権者など、より幅広い層にハリス氏を浸透させる絶好の機会だ」と指摘した。 アメリカン大学のシェリー・ウィリアムズ教授（ジャーナリズム）は、民主党が特にストレスの多い数週間を経験した後、「これらミームの一部は、選挙に楽しさを吹き込み、特定の層とのつながりをもたらした」と分析した。
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