ナゲッツがNBA初制覇に王手 快進撃支えるヨキッチ スポーツライター 杉浦大介
今季のMVPを逃した後にそう述べていた通り、ヨキッチ自身が勲章や名声を高めることに興味がないこと。デンバーという大都市とはいえない街を本拠地としてきたこと。そして前述通り、個人としては輝かしい実績を残しながら、プレーオフは2019〜20シーズンに西カンファレンス決勝に進出したのが最高と、ポストシーズンでの成功に恵まれていなかったことが挙げられるのだろう。
しかし――。今季、そのすべては変わろうとしている。3季連続となるシーズンMVPこそ逃したヨキッチだが、プレーオフに入って以降の12試合中8戦でトリプルダブル(※)と絶好調。ヨキッチに引っ張られたチームも西カンファレンス決勝ではジェームズ、アンソニー・デイビスというスーパースターデュオに率いられ、八村塁も貢献していたレイカーズを怒とうの4連勝で蹴散らした。 ファイナルでもヨキッチとナゲッツの快進撃は止まる気配がない。1勝1敗で迎えた敵地マイアミでの第3戦では、ヨキッチがNBAファイナル史上初となる1試合で「30得点、20リバウンド、10アシスト以上」をマーク。まさに歴史に残るパフォーマンスでシリーズの流れを決定的なものにした。
この試合後、ヨキッチは依然として「数字はどうでもいいよ。気にならない」と自身の功績には我関せずだった。同日に同じくトリプルダブルを達成したナゲッツのもう1人のエース、ジャマール・マレーと足並みをそろえての大活躍について問われても、返答はそっけないままだった。「(マレーと)これまで一緒にプレーした中でベストの内容だったか? それはわからない。今は勝つことだけを試みて、またあとで考えようよ」 ただ、本人は気にせずとも、もう周囲は放ってはおかない。今回のファイナルが終わった後、ファン、関係者はヨキッチの歴史的な位置付けについて改めて熟考することになるのだろう。セルビア出身の無名選手が、NBAの頂点へ。これから先、28歳のスーパースターをもう誰も見過ごすことはできなくなるはずである。
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