ドイツの極右政党、ドイツのための選択肢（AfD）の共同代表で首相候補のアリス・ワイデル氏は、EUが自動車産業を破壊したと非難し、EUを自由貿易圏に後退させるべきだと主張しました。
ドイツの極右政党、ドイツのための選択肢（ＡｆＤ）の共同代表で首相候補のアリス・ワイデル氏は、欧州連合（ＥＵ）が同国の自動車産業を破壊したと非難し、ＥＵは自由貿易圏に後退させるべきだとの考えを示しました。インタビューに応じたＡｆＤのアリス・ワイデル共同党首（12月18日、ベルリン）
ワイデル氏は、大半の内燃機関車について2035年から実質的に新車販売を禁止するとのＥＵの決定を例に挙げ、ドイツの自動車産業が「食い物にされた」と述べた。「自分たちが何をしているのかを理解せず、ＥＵの基盤を破壊している官僚など必要ない」として、「現在のＥＵがうまく機能している機関だとは思わない」と批判しました。2月23日の議会選挙に向け、ＡｆＤはドイツのＥＵ、ユーロ圏からの離脱を訴えています。ドイツの政策を大きく転換し、数十年にわたる欧州の政治・経済統合を解消しようという動きです。同党はまた、数十万人の国外追放を含む、不法移民への取り締まり強化も掲げています。ＡｆＤが主張する「ドイツ・ファースト（第一）」の呼びかけは、低迷するドイツ経済に不安を抱く多くの有権者の共感を得ています。同党は支持率で、保守系野党キリスト教民主同盟・社会同盟（ＣＤＵ・ＣＳＵ）に次ぐ２位につけ、ショルツ首相が所属する社会民主党（ＳＰＤ）などの与党を上回っています。旧東ドイツ地域にあるＡｆＤの３つの州支部は過激派として分類され、ドイツ情報機関の監視下にあります。ＡｆＤはドイツにイスラム教はふさわしくないとし、元党首のアレクサンダー・ガウラント氏は、ナチス時代をドイツの長い歴史における単なる汚点に過ぎないとしている。ＥＵの条約を改革し、欧州委員会の決定に加盟国が拒否権を行使できるようにすることもワイデル氏は主張しています。また、ＥＵを単なる自由貿易圏とすることで加盟国による離脱を容易にし、英国のＥＵ離脱交渉の際に起きたような混乱を避けるべきだとしている。ＡｆＤはロシアとのビジネスや政治的な関係の回復を支持しています。ワイデル氏はインタビューで、米国のトランプ次期大統領にも「大きな期待を寄せている」と歓迎してみせました。ＡｆＤはウクライナへの軍事支援の全面的な停止を要求しており、欧米諸国によるさらなる軍事的なエスカレートに警鐘を鳴らしています。
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