トランプ大統領は全輸入品に一律10～20%の関税を課すと主張。当選後には中国製品にさらなる関税を、メキシコ、カナダ、他の国にも関税を課す可能性がある。
今回の大統領選挙で、トランプ氏は全輸入品に一律10～20％の関税を課すと主張してきました。当選後には、中国製品に対してバイデン政権でも継続した措置に10％の追加関税、メキシコやカナダには25％の関税を課すと発表しています。米国で社会問題化する麻薬や不法移民の流入を阻止する目的だと説明しました。取り組み強化を求めた交渉材料の側面もあるでしょう。低い関税率が適用されるメキシコ、カナダ経由で中国製品が入ることを防ぐ狙いも指摘されます。対米黒字を抱えるEUも対象にされないかと身構えています。
日本経済への影響も深刻です。幅広い業種に逆風となるでしょう。日本企業は米国向けの生産拠点をメキシコ、カナダに構える対応をとってきたものの、生産体制の見直しを迫られる事態も想定されます。中国は日本の主要貿易国で、米中貿易摩擦が強まれば日本企業の業績を押し下げるでしょう。重要な物資の途絶に備えた供給網の確保などでも新たな対応を迫られる可能性があります。日本は新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み（IPEF）」を、環太平洋連携協定（TPP）に代わる中国への対抗軸と位置付けています。関税強化を狙うトランプ氏は「辞書で最も美しい言葉は関税だ」と言うが、負の側面も見るべきでしょう。物価が上昇すればトランプ氏支持者の離反につながるかもしれません。米国の金融政策は利下げの動きが鈍化し、金利差を意識した円安が進みかねず、日本の物価にも関係するでしょう。トランプ氏は輸入品への一律関税を実現するため、「緊急事態」を宣言する可能性が報じられています。米国経済に異例かつ重大な脅威がある際に、外国為替取引や輸入品に規制をかけることができるとする法を根拠にする案が浮上しているという。導入に向けた動きが進むようです
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