トコジラミによる被害が激増している。昨年のトコジラミ刺症の診療・相談件数は前年比10倍以上に増えた。すでにトコジラミは日本に定着したと専門家は指摘する。気温が上昇すれば、トコジラミの活動は活発化す
* * * 「コイツですか」 駆除業者はいとも簡単に瓶の中からトコジラミを机の上に取り出した。茶色い5ミリほどの体は丸みを帯び、パッと見、羽のない小さなゴキブリのようだ。 「でも、トコジラミはゴキブリと違って、指で押してもびくともしないんです。ほら」 そう業者は言い、実際にやってみせてくれた。記者も爪の先でグリグリ押してみると、「カリッ」。甲羅が割れるような音がした。硬い。敵は相当手ごわそうだった。 トコジラミは「シラミ」と名がつくものの、カメムシの仲間だ。体は扁平。ベッドや家具、調度品などのすき間に身を隠し、夜になると出てきて寝ている人の皮膚を刺して吸血する。移動速度はゴキブリ並みで、カサカサと素早く動きまわる。 昨年、韓国やフランスなど外国で発生したトコジラミ被害が報道された。「海外旅行ではトコジラミに気をつけよう」と考えている人も多いのではなかろうか。
だが、兵庫医科大学の皮膚科学教授、夏秋優医師の指摘は衝撃的だ。 「トコジラミはすでに日本全国に定着し、刺されるリスクは国内旅行であっても全く変わりません」 実際、超高級ホテルからビジネスホテル、ネットカフェ、山小屋、さらに病院や老人ホームまで、宿泊をともなうあらゆる施設でトコジラミの生息が確認されている。トコジラミの有無と施設の格式は基本的に関係ない。もちろん、個人宅も例外ではない。 ■自分を実験台に50回刺される実験 夏秋医師が診療した、あるいは相談を受けたトコジラミ刺症の件数の変化は明らかだ。 2015年までは年間1、2件程度だった症例は年々増え、19年は6件に。コロナ禍の3年間は人流が細くなり、ホテルや旅館の利用者も減ったせいか、22年の症例は1件。その後、コロナ禍明けとともに旅行者数が回復すると、23年の症例は11件と急増した。 「この勢いで今年はドーンと増えるでしょう」と、夏秋医師は予測する。...
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