1.TUDOR(チューダー)ブラックベイ自動巻き、SSケース&ブレスレット、ケース径41㎜、パワーリザーブ約70時間、200m防水。¥558,800/日本ロレックス / チューダー TEL:0...
1950年代に発表された「TISSOT SEASTAR」の名を受け継ぐダイバーズ。ドーム型風防の下で、波の模様が刻まれたマリンブルーのグラデーションダイヤルが時代を超えた魅力を描く。9時位置にはヘリウムエスケープバルブを装備し、飽和潜水に対応する600mの高い防水性能を誇る。さらには、ニヴァクロン製ヒゲゼンマイを採用し、優れた耐磁性能も実現。コストパフォーマンスもきわめて高い。レトロなデザインやディテールを取り入れたダイバーズウォッチが人気を集めている。1960年代~70年代を懐かしむ世代もいるだろうが、半世紀以上前のテイストは、もはや新しいと感じられる時代なのだろう。今回取り上げたモデルでもドーム型の風防はもちろん、回転ベゼルの細さ、三角マーカーの形状、アルマイト的な光沢と質感、ドット型アワーマーカーの小ささ、アラビア数字のフォント、時分針のスタイルなど、レトロな味付けの見どころが多い。
それでなくてもレトロデザインのダイバーズには、れっきとした存在理由がある。中古市場に出回るヴィンテージのダイバーズでは充足できない需要が確実にあることだ。構造の進化やマテリアルの革新により、水密のレベルが過去と現在では格段に異なっている。オリジナルの50~60年代のモデルは、ヴィンテージ市場に出回ったとしても、新品当時に完璧だった性能はなかなか望むことはできないだろう。それに対して最新のレトロダイバーズは、高い防水性能や耐磁性能、ロングパワーリザーブで武装し、安心して水中のアクティビティにも帯同できる。 さらにはマリンスポーツのギアとしてだけではなく、タウンユースでもタフなスポーツウォッチとして、有効に機能する。カジュアルな装いだけでなくスーツの袖口からのぞかせても、レトロなスタイルは映えるのだ。オリジナリティは尊重しつつ、最新性能で武装したレトロデザインのダイバーズは、満足できる選択の最適解に結びつくのである。※この記事はPen 2023年10月号より再編集した記事です。