5試合連続で4ゴール以上奪取という好景気が続く日本代表だが、今回に限っては圧勝や完勝という印象は薄い。先制点は田中のシュートが相手に当たってコースが変わって生まれ、2点目はゴール前でイレギュラーして跳ねたボールがオウンゴールを誘った。前半はカナダのスピードにかなり手を焼いただけに、「我慢強く戦うことができた」(森保監督)というのが実感だろう。裏返せば、内容で圧倒できなくても効率よくゴールを奪え
たということ。しかも前半と後半の開始直後という相手の備えが整いにくいタイミングと、相手へのダメージが大きい前半の最後という時間帯に全4ゴールを集中させたことが効いた。三笘(ブライトン)ら主軸が不在の中でも落ち着いて試合巧者ぶりを発揮できたのは、久々に戻ってきた2人の働きが大きい。
昨年のワールドカップ(W杯)カタール大会直前に右アキレス腱(けん)を痛めて離脱して以来の復帰を果たした左SB中山は、4点目の起点にもなった左足の正確なフィードが攻撃のアクセントとして機能。大外を駆け上がってクロスを供給する動きも効果的で、CBが本職の伊藤洋とは違う持ち味をしっかり示した。2列目で先発した南野もゴールこそなかったが、1トップの浅野とともに相手を激しく追い回し、スペースへ走り込んでパスをよく引き出した。「2人がもたらしてくれたものは非常に大きかった」という森保監督は、南野について「ハードワークを前線から見せてくれて、攻守どちらも貢献してくれた」。中山についても、攻撃の組み立てや守備の判断で「賢くハードにプレーしてくれた」と高く評価。来月からのW杯アジア2次予選、そしてアジア・カップという負けられない戦いの前に、頼もしい人材が戻ってきた。
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