米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、満足するには程遠い状況にある。FRBは22日に終わった連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げることを決めた。米国の銀行システム不安が発生していなかった2週間前、パウエル氏が示唆していたのはもっと大幅な利上げだ。しかし彼の関心が新たな方向に移った以上、自身が掲げてきた基本方針も修正せざるを得ない。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、満足するには程遠い状況にある。FRBは3月22日に終わった連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げることを決めた。ワシントンで撮影(2023年 ロイター/Leah Millis)
そこでパウエル氏をはじめとするFOMCメンバーは、市場の想定通りに行動した。何かサプライズを起こせば、ただでさえ脆弱になっている銀行システムと市場を一層動揺させる恐れがあった以上、これは妥当な判断と言える。何しろ米国債の予想変動率を示すICE・BofA・MOVE指数は先週に2009年以降で最も高い水準を記録し、政策金利に連動する先物も不安定な値動きを続けていたのだ。 パウエル氏に与えられた政策手段は金利と、期待への働きかけによる信頼確保しかない。今回の危機はまさにその人々の信頼が揺らいでいるという点が際立った特徴だ。パウエル氏は22日の会見で、全ての預金は安全だと明言して何とか信頼を回復させようとした。もっとも彼には実際に預金を保証する権限はない。ところで厄介なことに、もう1つの政策手段である金利もじわじわと影響を及ぼしつつある。
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